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イベリス
第七十話 尊敬と軽蔑その九

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「思春期にはね」
「このままでいいのかって思う時があるの」
「お友達のこととか学校の成績のこととか」
 他の例も話した。
「部活のこととかね」
「よくレギュラーになったなれたってあるわね」
「体育家計の部活じゃね」
「今部活読みたい漫画あるから」
「それを入れて欲しいのね」
「そうお願いしてくれているけれど」
 それでもというのだ。
「それが実現するかどうかね」
「不安なのね」
「そうなの、それが悩みだし」
「あんたにとっては結構大きいわよね」
「そうなの」
 咲も否定しなかった。
「あとアルバイトしててお金のこととか」
「貯金はあるでしょ」
「来月までどう過ごすか、無駄遣いしてるんじゃないかって」
 その様にというのだ。
「思ってるし」
「お金のことでもなのね」
「成績も」
 学校の勉強のそれもというのだ。
「次は大丈夫とか」
「何かと考えているのね」
「そうなの」
 これがというのだ。
「私もね」
「そうでしょ、人間誰でもよ」
「悩みがあるのね」
「思春期は特にかしら。何でもない様なことでも」
 他人から見ればだ、それこそ何でもない様なことだ。それを聞いてもそれでと終わる様なことである。
「けれどね」
「それでも深刻なのね」
「自分にとってはね」
 そうだというのだ。
「そうなのよ、けれどそんなものでも自分にとってはね」
「真剣で深刻なことで」
「だからね」
 それでというのだ。
「人は誰でもね」
「悩みを持っているのね」
「お金とか恋愛のことでもね」
「ああ、私もお金は」
「それが借金とかになるとね」
「もっと深刻よね」
「そうよ、それでお母さんにもお父さんにもね」
 娘に再びこう話した。
「愛ちゃんや店長さんにも言えないで」
「お友達にもだと」
「お寺に行ってね」
「お坊さんになのね」
「お話すればいいのよ」
「誰にも言えないことを」
「例えば悪いことをしたと思って」
 咲にこの場合のことも話した、人は生きていれば罪を犯してしまうものでありそれを自覚することもその性の一つであるのだ。
「誰かに言いたいなら懺悔室とかもあるわよ」
「キリスト教ね」
「お母さんはそっちに縁がないからあまり言えないけれど」 
 それでもというのだ。
「お話は出来るわ」
「そうなのね」
「お寺にもお話出来るし」
「悪いことをしたことを」
「誰にも内緒にしてもらってね」
 その様に寺の僧侶に頼んでというのだ。
「それも出来るから」
「悪いことをしたと思って」
「それを誰かに言いたくても」 
 それでもというのだ。
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