怪獣じゃない
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通り抜け、そのままフロアの壊れた箇所からジャンプ。
二人の赤は、こちらに気付いたイリスへ、同時に剣を振り下ろした。
その巨体の胸を、それぞれ一直線に斬り降ろし、一階に着地する。
「コイツ、昨日戦った時よりも絶対にデカくなってる……」
龍騎がそう呟くやいなや、イリスは龍騎とウィザードへ敵意を向ける。
龍騎、ウィザード。両者にとっても危険を嫌と言うほど味わってきた超音波メス。
それが、雨のように降り注がれていく。
だが。
「どうか……守って!」
それは、全く聞き覚えのない声。
そして、六つの機械のパーツが二人の前に割り込んできた。それぞれ指定された配置に並び、正六角形を描き出す。
その間に透明なエネルギーを走らせたそれは、盾となり、超音波メスを防いだ。
「え」
「何だ?」
「大丈夫ですか?」
そして、バリアを作った機械は、纏まって龍騎たちの横に逸れていく。それは、歩いてきた少女の腰に収まった。
「……君は?」
龍騎は思わず尋ねた。
ボブカットに切りそろえた、学生服の少女。大人しそうな顔つきの彼女は、にっこりと胸に手を当てた。
「はい。蒼井は、蒼井えりかと申します。シールダーのサーヴァントです」
「新しい参加者!」
新しいサーヴァント。
その存在に、隣のウィザードは反射的にウィザーソードガンを身構えてしまう。
だが。
「大丈夫だよ、ハルトさん……」
警戒を強めるウィザードの手を抑える者がいた。
それは、可奈美。
ラビットハウスの制服のままの彼女だったが、すでに傷だらけになっており、息も絶え絶えになっていた。
「この子は、敵じゃないよ……」
「本当に?」
ウィザードはまだ警戒が解けないようだ。
そんなウィザードへ、今度は変身が解けた友奈が話しかける。
彼女も可奈美に負けず劣らず傷だらけになっており、首元で束ねていた髪も解かれていた。
「本当だよ。この子、えりかちゃんが何度も助けてくれたんだよ!」
「本当か? よかったなハルト! 戦うつもりがない参加者だぜ!」
友奈の言葉に、龍騎はウィザードの肩にしがみついて飛び跳ねる。
だが、ウィザードは龍騎の腕を振りほどき、シールダーのサーヴァント、蒼井えりかを睨み続ける。
しかし。
「みんなッ! ムーンキャンサーがッ!」
響の声に、ウィザードたちは一斉に顔を上げる。
ムーンキャンサーは再び、地上の参加者たちに超音波メスを放とうとしている。
だが。
「危ない!」
蒼井えりか。
彼女は、シールダーとしての特色を遺憾なく発揮した。
六つの機械は、再びバリアを張り、超音波メスを吸収する。
突破できないと判断
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