第百二十六話 ロック、狼を知るのことその一
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第百二十六話 ロック、狼を知るのこと
連合軍は都に戻った。そしてすぐにだ。
全軍を休息させると共にだ。各地に物見を送った。周泰がそのことを孫権に報告する。
それを聞いてだ。孫権はこう彼女に話した。
「これで何か見つかればね」
「すぐにその場に向かいですね」
「ええ。今度こそ決着をつけるわ」
真剣な顔で言う孫権だった。
「絶対にね」
「そうですね。次こそは」
「あの連中の好きにさせてはならないわ」
それは絶対だと言う孫権だった。
そしてだ。こう周泰に話した。
「それに母様の仇だしね」
「大殿の」
「貴女は知ってるかしら。母様のことを」
「お仕えしたことはありません」
申し訳なさそうにだ。周泰は孫権に述べた。今彼女達は孫権の部屋の中にいる。赤い壁や窓がある。机や椅子もそうである。
孫権はその赤い椅子に座りだ。自分の前に立っている周泰に話すのだった。
彼女の傍らには呂蒙も立っている。そうして三人で話しているのだ。
「大殿が亡くなられて少し後にお仕えしましたので」
「そうだったわね。母様の頃私達のところにいたのは」
「祭さん達だけですね」
「そう。祭と二張ね」
その三人だけだったのだ。孫堅の頃は。
「あの頃から。あの二人は口喧しかったけれどね」
「とりわけ小蓮様にでしょうか」
「私も雪蓮姉様もこれと言って言わないしね」
孫権にしても孫策にしても小言を言うことはない。そしてその代わりになのだ。
「けれどその代わりにね」
「お二人がですね」
「ああして毎日小言を言ってるのよ」
「小蓮様にとっては厄介でしょうか」
「あの娘には叱る大人が必要なのよ」
そのことは孫権もわかっているのだ。しかしなのだ。
彼女は難しい顔で微笑みだ。こう周泰に話した。
「けれど私も姉様もね」
「小言を言うことはですか」
「言われる側だったし」
特に孫策はだ。
「その私達が小言は。しかも性格的にね」
「できませんか」
「甘いのよね。私達って」
こうも言う孫権だった。
「シャオに対して」
「姉妹だとどうしてもそうなるのですね」
「私達の場合はそうね」
「そういえば祭様も」
「祭もシャオには優しいし」
黄蓋も小言を言わない。そうした者ではない。しかしなのだ。
二張は違った。彼女達はだ。
「けれどその分あの二人がいるから」
「小言は大丈夫なのですね」
「必要なことはあの二人がしてくれるのよね」
叱る、そのことをだ。
「そうした意味であの二人には感謝しているわ」
「政でも頼りになりますし」
呂蒙は微笑みこのことを話した。
「お二人がおられて何よりですね」
「そうなのよね。頼りになるわ」
「はい、本当
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