第六百七十三話 腐れ外道の顔その一
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腐れ外道の顔
フックはこの時学校の食堂、タイ料理のそこで自国の炒飯と野菜炒めを食べていた、するとその向かい側の席にだ。
ライバルのラビニアが来た、フックはその彼女に問うた。
「何食うんだ?」
「これよ」
ラビニアは応えて自分が両手に持っている盆の上にある辛いスープの麺を見せた。
「美味しそうでしょ」
「ああ、その麺か」
「あんたも好きでしょ」
「大好物の一つだよ」
フックはコリダンダーの匂いもするその麺を見つつ答えた。
「明日食おうか」
「そうするのね」
「今は炒飯食ってるけれどな」
それと野菜炒めをというのだ。
「けれどな」
「明日はそうするのね」
「そう思ったよ」
「そうなのね、じゃあ座るわね」
「ああ」
フックはライバルの言葉に頷いた、相手もそれを受けてだ。
その席に座った、するとだった。
すぐにだ、ラビニアはフックに食べつつ言ってきた。
「学校の近くの商店街に新しいお店出来たの知ってる?」
「そうなのか」
「ええ、ずっとそこだけシャッターだったけれど」
「そこにか」
「探偵事務所入ったのよ」
「探偵が店か?」
「そこは違うかしら」
「そうだろ、探偵事務所はまた違うだろ」
店ではないとだ、フックは答えた。
「それは」
「そうだろ」
「そうかしらね」
「ああ、それでその探偵事務所はどうしたんだ」
「ちらっとそこの探偵さん見たけれど」
ラビニアは難しい顔で答えた。
「お顔見たらやばい感じなのよ」
「人を顔で判断するのはよくないだろ」
フックはラビニアに顔を顰めさせて言葉を返した。
「それでお前もな」
「ええ、人はお顔じゃないってね」
「そうした考えだろ」
「それはそうだけれど」
それでもと言うのだった。
「おかしいのよ」
「おかしい?」
「そのお顔がね」
「どういうことなんだ」
「あの、イケメンとか不細工とかね」
「そういうのじゃないのか」
「人相、特に目がよ」
これがというのだ。
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