第三十八話 嫌な奴もいないその九
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「凄かったね」
「そんな物騒だから新選組もいたのね」
「警察としてね」
「やってることはテロ並に物騒でも」
「仲間内で殺し合うことがあっても」
「それでも必要だから存在していて」
幕府から見てである。
「活躍していたのね」
「そうだね」
「とんでもない警察でも」
それこそ奉行所の比ではない、即座に刀を抜き切り捨て御免の組織であった。武装警察悪く言えば秘密警察と言ってよかったのだ。
「必要だったのね」
「要するにね」
「テロが多かったら」
一華は考える顔で述べた。
「警察もそれなりの対処しないと駄目ってことね」
「それね、さもないと犠牲になる人出るから」
かな恵がそれはと返した。
「テロは放っておけないからね」
「幕末の暗殺は普通の人達はほぼ巻き込まなかったけれど」
「危ないことは危ないしね」
「やっぱりね」
「テロが多いと」
「警察もそれなりの対処をしないと」
「権力に反対するからいいと言ったら」
テロ行為をだ。
「法律いらないからね」
「それこそテロリストに一般市民の人達が殺され放題だから」
「何とかしないといけないわ」
「さもないと本当にどうなるか」
一般市民の生命の安全が脅かされるというのだ。
「だからね」
「対策は必要よね」
「絶対にね」
テロへのそれはというのだ。
「それで新選組も編成されたのね」
「要するに」
「けれど桜田門外の変はよかったって」
一華もこの事件のことを話した、井伊直弼がこの事件で首を取られた時江戸城内でも江戸市中でも拍手喝采だったという。彼はそこまで嫌われていたのだ。
「私は思うわ」
「それは私もだけれどね」
かな恵もだった。
「本当にね」
「やっぱりそうよね」
「あのテロだけはね」
「坂本龍馬さんのことは残念でも」
「伊藤博文さんは特に」
「大村益次郎さんも」
「あの人どれだけ人望ないんだ」
成海はコーラサワーの残りを飲みつつ言った。
「井伊直弼さんって」
「日本の歴史上屈指の不人気だからな」
越智が応えた。
「だからな」
「それでか」
「ああ、人気はな」
それこそというのだ。
「なくてな」
「あそこまでか」
「だから暗殺されてもだ」
それでもというのだ。
「当時からざまみろでだ」
「今もなんだな」
「そうだ、その不人気さはだ」
越智はさらに言った。
「頼朝さん並だな」
「それ凄いな」
「頼朝さんも人気がないな」
源頼朝、鎌倉幕府を開いた彼もというのだ。
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