敢闘編
第五十五話 アムリッツァ星域会戦(前)
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戦隊を載せ降下させろ。入植者は民間人だ、一個連隊もいれば武装解除は容易いだろう。参謀長、シャトル降下後、迎撃準備だ」
「はっ」
“…七時方向に人工物と思われる大質量を観測、距離百五十光秒…多数の高熱源発生!こ、攻撃です!”
「何!」
“九時方向にも高熱源発生!”
「後背からだと!?馬鹿な!全艦反転、迎撃せよ!」
12月11日10:35
アムリッツァ星系近傍(イゼルローン回廊側)、自由惑星同盟軍、第二艦隊、旗艦メネラーオス、
ジェフリー・ルーカス
第十一艦隊からは何の返信もないばかりか、外惑星マルガオ以降の位置情報も不明ときている。
「何をやっているんだ十一艦隊は。まだ連絡はつかんのか」
「一向に…妨害電波もひどく、通信状態は劣悪です」
「妨害電波か…第三艦隊とは連絡可能か?」
「さほど遠くありませんので大丈夫かと思われます」
「よし、第三艦隊に連絡を」
”ルーカス提督、何かありましたか”
「いや、よかった。ルフェーブル提督、通信状況がひどくはないか?おそらく電波妨害だろうが…すでに第十一艦隊は敵と交戦状態に入っているのでは」
”その可能性はありますね。第十一艦隊の現在位置も不明ですし、彼等の捜索も兼ねて索敵範囲を広げましょう”
「そうだな…アムリッツァ星系全域を捜索する必要があるだろう。我々はこのまま外惑星マルガオに向かう。貴官はチャンディーガル方面に向かってくれ。ホイヘンス中将の事だ、早く見つけないとオーディンまで行ってしまうぞ。ロボス提督には我々から連絡しておく」
”恒星アムリッツァを挟んで索敵する形ですな。了解しました、では”
ホイヘンスめ…シトレ閣下を好かんのは判るが…好き勝手にやってもらっては困る。第一、作戦を成功させねば後が無いのは我々の側なのだ…。
12月11日11:00
アムリッツァ星系、第四惑星カイタル付近、銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル
「上手くいったな。完勝ではないか」
伯爵は上機嫌だ。しかしまだ敵は残っている、気を抜く訳にはいかない。
「はい、うまく機先を制する事が出来ました。出来ますれば…兵たちに二時間ずつ、交代で休息を取らせたいのですが」
「そうだな。飲酒も許可する」
「ありがとうございます」
我々の放った偽電に乗せられた敵を、惑星カイタルにて後背から急襲する事に成功した。傍受した敵の通信によれば、敵は叛乱軍の第十一艦隊の様だった。狼狽した敵は稚拙な行動に出た。その場で回頭する艦艇が続出したのである。司令官の命令だとしても、何が起こるか分かりそうなものではないか…敵艦隊は組織的な反撃をとる事が出来ないまま、旗艦以下数隻まで撃ち減らされ
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