暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第129話:責任と共に生きる
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颯人がソラと遭遇し、激闘の末引き分ける事になるよりも少し前の事……
学校が終わり下校する調と切歌は、今だ顔や頭に絆創膏や包帯を巻いた状態で日が傾いた街を歩いていた。
何時もは仲良く隣り合って歩く2人だが、この日は精神的にも物理的にも距離が空いている。先日の共同溝での戦いで、互いに互いの戦い方に不満を抱き仲違いをしてしまったからだ。
冷え切った関係を引き摺りながら、歩く2人の足は何処か重い。それでも帰る場所は同じだからと、少し距離を離して歩いていたが重苦しい沈黙に耐えられなくなった調が遂に口を開いた。
「…………私に言いたい事、あるんでしょう?」
「! それは調の方デス!」
「私は……」
「うっ……」
やっと口を開いたかと思えば、互いに口から出るのは棘のある言葉。お互いにそれを自覚したからか、2人は共に口を噤み言葉を飲み込んでしまった。
またしても2人の間に嫌な沈黙が下りてくる。それを払ったのは、2人にとっても馴染み深い男の声だった。
「ん? 切歌に調じゃないか? 学校帰りか?」
「あ、ガルド……?」
「こんな所で何してるデス?」
声を掛けてきたのはガルドであった。彼は肘に食材の入ったビニール袋を下げ、手にはたこ焼きの入ったパックを持っている。
「見ての通り、買い物帰りさ。ここに来たのは偶然だ」
「手にタコ焼き持って?」
「前から興味があってね。日本は食材や料理が豊かだ。料理人として、興味が尽きない」
そう言ってガルドは楊枝にたこ焼きを刺して一つ口に放り込む。たこ焼きは出来立てなのか、ソースの上に掛かった鰹節が踊り口に入れたガルドは熱さに口元を抑えてハフハフと息を吐いている。
「むぐ……うん、なるほど美味い。それで? 2人はまだ喧嘩中なのか?」
「う……」
「むぅ……」
たこ焼きの味に満足したガルドからの唐突な問い掛けに、切歌と調は言葉に詰まった。そしてどちらからともなくお互いの顔を見ると、直後に同時にそっぽを向いた。
その様子にガルドはやれやれと溜め息を吐く。
「全く、ついこの間まであんなに仲良かったのにどうして……いや、だからか? まぁいい。お前達――――」
このままではいかんだろうと、ガルドが2人の仲違いを直す為アドバイスしようと口を開いたその時、近くから爆発音が響いた。
「ッ!?」
「はっ!?」
「何だッ!?」
見ると空から何本もの赤い結晶が降り注ぎ、3人が居る境内を空爆している。境内に居るのは3人だけでなく一般人も居るので、そこかしこで悲鳴が上がり人々が逃げ惑っていた。
「これは――!?」
一早く状況を察した調だったが、直後に3人の傍に結晶――カーボンロッドが1本降って来た。カーボンロッドが地面に突
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