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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第129話:責任と共に生きる
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ハンドオーサーに翳し槍に別の魔力を付与させた。

〈グラビティエンチャント、プリーズ〉
「オォォォォッ!」

 槍に付与するのは重力の魔法。全てを引き寄せる魔力を持った槍を彼が振り回すと、飛来してきたカーボンロッドは磁石に引き寄せられる鉄屑の様に槍の先端に向け軌道を変え次々と引っ付いていった。

「えぇっ!?」

 まさかの展開に驚いていると、投げ飛ばされたダメージから回復した調が空中に飛び上がりポニーテールとなったギアから無数の丸鋸を雨霰と降り注がせた。

「向き合うんだ! 出ないと乗り越えられないッ!」

 調から放たれた丸鋸を、しかしミカはなんと後ろ髪だけで防いでしまった。

 だがそれは悪手だった。足を止めた事でガルドからの反撃を受ける事になる。

「こいつは返すぜ!」
「いっ!?」

 大量のカーボンロッドがくっ付いた槍をガルドが振り回すと、先程とは一転し今度はカーボンロッドが大量にミカに向けて飛来した。重力の向きを変えて弾き飛ばしたのだ。自分の攻撃を自分で食らう事になり、ミカも顔を引き攣らせる。

 それでもミカは何とか攻撃をやり過ごすと、大きく空中に飛び上がり空に魔法陣を展開させるとそこから今までにない大きさのカーボンロッドを精製し下に降り注がせた。
 あんなものを喰らっては一溜りもないと逃げ惑う3人だが、逃げながらも彼らは反撃の機会を伺っていた。

「闇雲に逃げてたらジリ貧だゾ!」
「知ってるデス! だから!」

 一際大きなカーボンロッドを切歌を狙い放つミカ。その勢いのまま切歌に襲い掛かるミカだったが、切歌は途中近くに突き立ったカーボンロッドに鎌を食い込ませて急制動を掛けた。1人失速しその場に残る切歌の横を、勢いに任せて飛んでいたミカが通り過ぎていく。

「ゾなもし!?」
「はいいらっしゃい!」
「がっ!?」

 急制動した切歌に気を取られている間に、別のカーボンロッドに登っていたガルドが振り回した槍が直撃しミカは地面に叩き付けられる。

 叩き付けられたミカに切歌のギアからチェーンの様な物が伸ばされるがミカはそれの間を縫う様に避けた。攻撃を躱せたと笑みを浮かべるミカだったが、その後ろからはギアを近未来の一輪バイクのように変形させた調が迫っていた。

 その調のギアと、切歌のギアから伸ばされたチェーンが合体し互いに引き寄せ合う。

 これは不味いと逃げようとするミカだったが、逃走はガルドが許さない。ミカが逃げるよりも先に魔法で奴をその場に縛り付けた。

「逃がさない!」
〈バインド、プリーズ〉
「うぁっ!?」

 身動きが止められたミカの前後から、切歌と調が迫る。

「足りない出力を掛け合わせてッ!?」

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