暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第129話:責任と共に生きる
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―最悪、新しい力をここでお披露目とするか……――

 ここが修行の成果の見せ所になるかと考えるガルドだったが、そんな事を悠長に考えている暇は無かった。

 調と切歌にミカの猛攻が襲い掛かる。まるでガルドの始末の邪魔になる2人をさっさと蹴散らそうとしているかのようなミカの攻撃を、何とか潜り抜けた調が「Δ式・艶殺アクセル」で膾切りにしようと迫った。スカートを一つの大きな丸鋸にして相手を両断する調の技を、しかしミカはカーボンロッド1本で防ぎ逆に弾き返してしまった。

「あぁっ!?」
「調ッ!」

 弾き飛ばされた調を、ガルドは咄嗟に受け止める。
 その間に調を弾き飛ばして隙が出来たと見た切歌が鎌を振り下ろすが、ミカは素早く切歌の背後に回ると彼女を蹴り飛ばした。

「ぐっ!?」
「切歌! くそ、これ以上は――!!」

 これ以上奴の好きにさせてなるものかと、ガルドは改めて槍を構えミカに勝負を挑んだ。

「ハァァァッ!!」
〈ブリザードエンチャント、プリーズ〉

 高温を持つミカのカーボンロッドを、低温の氷の槍で冷やして破壊しようと目論むガルド。先端を氷で覆われた槍をミカに振り下ろすと、ミカは予想通りそれをカーボンロッドで受け止めた。すると接触部分から氷が解けつつあるのか水蒸気が上がる。

「そんな冷たさじゃ、カーボンロッドは壊れないゾ!」
「そいつはどうかな!」
〈ブリザードエンチャント、プリーズ〉

 ガルドは再度右手をハンドオーサーに翳し、二度目の氷属性の付与を行った。すると槍の先端の氷が先程よりも鋭く、温度も更に冷えたのか水蒸気が凍り雪の様に
散った。そして槍と接触しているカーボンロッドは、激しい温度差に耐えきれなくなったのか罅割れて砕け散った。

「おぉっ!?」
「ハッ!」

 自慢のカーボンロッドが正面から砕かれた事に気を取られたのか、ミカの動きが一瞬鈍った。その隙を見逃さず、ガルドは体を回転させその勢いを石突に乗せてミカの腹を突いた。

 腹を突かれて体勢を崩すミカにガルドの猛攻が放たれる。縦横無尽に振るわれる槍が、ミカを滅多打ちにしてどんどん押していった。

 このままガルドが勝負を決めるかに思われたが、彼はある事を失念していた。今相手にしているのは所詮人形。人と同じように感情を見せ自分の意志で動いているように見えるが、奴らには痛みを感じると言う事が無い。

「トドメだ!!」
「…………ニヒッ!」

 これで終わりと、ボロボロになったミカに大きく振りかぶった槍を振り下ろそうとするガルド。その瞬間、ミカはガルドの懐に入り込み両手を彼の胸に押し当てた。

「あ――――」

 そこはカーボンロッドの発射口。ガルドは超至近距離からのカーボンロッドの射撃を喰らい吹き飛ばされ
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