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おぢばにおかえり
第七十一話 詰所の中その四十一

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「それで教会は一万八千位ね」
「その中で二百六十あるって」
「大きいっていうのね」
「そう思いますよ」
「他にも大きな大教会あるけれど」
「それでもかなり大きいですよね」
「そこまで言うとね」
 同じ母屋で桜井市の大教会の詰所がありますがここの大きさはまた凄いです、どうしてもそちらを見てしまいます。
 けれどです、考えてみますと。
「やっぱり大きいわね」
「その大きな大教会の前の大教会長さんでもですか」
「だって歩いても行ける距離だし」
 奥華の詰所から教会本部まではです。
「それで送り迎え必要?」
「質素ですよね」
「質素って普通でしょ」
 私はこう思っています。
「皆歩いてるのに」
「そういうものですか」
「そう思うけれど」
「いえ、大きな組織の偉い人が自転車で移動は」
「ないの?」
「そうそうないですよ」
 新一君は驚きを隠せないお顔で言いました。
「やっぱり」
「そうかしら」
「そうですよ、先輩は別に何とも思われないですか」
「そうだけれど」
「本当に質素ですね。そういえば」 
 ここで新一君はこのことをお話しました。
「先輩のお家も小さいですね」
「広いでしょ」
「いえ、教会は広いですが」
 それでもというのです。
「お家あの八条グループの人達が信者さんにおられるのに」
「子供の頃から広いと思ってるわよ」
「普通の一軒家ですよ」
「それで充分過ぎるでしょ」
「そうでしょうか」
「ええ、結構よ」
「ああ、その結構ですね」 
 新一君はここでわかったというお顔になって言ってきました。
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