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イベリス
第七十話 尊敬と軽蔑その六

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「そこから救われるにはね」
「自分達の宗教を信仰すれば助けるね」
「そう言うから」
「まず予言をなのね」
「見ることよ」
 それをというのだ。
「そうすればよ」
「わかるのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「何とでも取れる様なことを言ってるか」
「人類滅亡とか災害とかで」
「そうした予言は外れてるのよ」
「何年か経ってチェックしたら」
「一九九九年七月に人類は滅亡するって言われてたわ」
 母はあまりにも有名な予言を紹介した、二十世紀に生きた人なら知らぬ人はいないであろうノストラダムスの予言である。
「それでもね」
「今もよね」
「人類は続いているわね」
「滅亡すると言っても」
「まだこうして続いているわよ」
「あの予言は外れたのね」
「というかその予言もよ」
 ノストラダムスのそれもというのだ。
「何とでも取れる様な」
「そうしたものだったの」
「文章はね、そんなのだから」
「信じないことね」
「そうよ、本当にね」
 娘に難しい顔で話した、そしてだった。
 おかずを食べてそれからご飯を食べてまた言った。
「予言はあってもね」
「それでもなのね」
「そう、滅亡とか大災害とかね」
「そうした人の不安を煽るものを言うなら」
「もうね」
 それこそというのだ。
「信じないことよ」
「そうよ、そんな宗教団体の言葉はね」
「信じないことね」
「信者さんもね」
「騙されている人でも」
「騙されている人には同情して手を差し伸べるべきでも」 
 それでもというのだ。
「言うことはね」
「信じないことね」
「そうよ、そもそも宗教は人の心を救うものよ」
 このこともだ、母は娘に話した。
「それを不安を煽るならね」
「要注意ね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「穏やかに落ち着かせてくれて」
「悩みを聞いてくれたり」
「それで癒してくれるなら」  
 それならというのだ。
「しかもお金をこれといって求めてこないなら」
「いい宗教ね」
「そうよ」
 そうだというのだ。
「本当に」
「日本でもそうした宗教多いわね」
「むしろそうした宗教の方が多いから」
「そうした宗教を信じることね」
「そうよ、うちの宗教は仏教は禅宗でしょ」
「臨済宗よね」
「禅もいいのよ」
 こう言うのだった。
「だからね」
「座禅してもなの」
「いいから」 
 それでというのだ。
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