第七十話 尊敬と軽蔑その四
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「そうしてよ」
「煽ってくるのね」
「だから昔はね」
マスコミの力が今より強かった頃はというのだ。
「今よりも遥かによ」
「煽ってきていたの」
「そうだったのよ」
「それで太り過ぎも」
「変に意識する人が出て」
それでというのだ。
「そのアメリカだと太っている人は出世しないとかね」
「そうした言葉に煽られて」
「あと太ったら成人病になるとかね」
「それは極端にでしょ」
「そうだけれどね」
それがというのだ。
「どれだけ太ったらそうなるかとか」
「言わないで」
「それでよ」
「煽ってなの」
「煽られて大変なことになった人もいるのよ」
そうだったというのだ。
「これがね」
「マスコミの言うこと真に受けたら駄目って言うけれど」
「お母さんも同じ考えよ」
まさにというのだ。
「本当によ」
「真に受けないことね」
「そうしたら馬鹿を見るわよ」
「そんなに酷いのね」
「新聞やテレビも嘘を吐くってね」
その様にというのだ。
「覚えておくことよ」
「それも言われるわね」
「あと自分達にとって都合の悪いことは言わないね」
「報道しない自由?」
「それも本当にあるから」
それでというのだ。
「マスコミの言うことは真に受けないで」
「ちゃんと自分で考えることね」
「調べてね」
「自分の身体のことも」
「そうよ、フェイクニュースってあるけれど」
この言葉もというのだ。
「あるから」
「言ったアメリカの大統領だった人は」
「あの人自身もでしょうね」
「フェイクね」
「お母さんはそう思うわ」
「相手を嘘って言ってなのね」
「自分もね。若し嘘じゃなかったら」
そのアメリカ大統領であった者が言う様にだ。
「自分が当選したりちゃんと相手を論破出来るから証拠持ってるって言うならね」
「絶対に出してるわね」
「誰だってそうするでしょ」
「そうよね」
咲もそれはと頷いた。
「不正だって言って」
「その不正の証拠持っていたらね」
「証拠出すわね」
「それで勝てるからね」
「それをしないってことは」
咲は考える顔で言った。
「あの人がなのね」
「嘘を言ってるのよ、嘘じゃなかったら」
母はさらに話した。
「ましてやホワイトハウスに乗り込めなんてね」
「煽ってないわね」
「だから権力を守りたくてね」
自分のそれをというのだ。
「嘘を言ってね」
「人を煽ってたの」
「暴力まで振るう様にしてね」
「そういう人なのね」
「ああした人もね」
マスコミもそうだがというのだ。
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