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まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて
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夏休みになって、夏期講習という形で私達は毎日、午後から6時までのコースを選んでいた。充君と席は少し離れるけど、並んで講習を受けられるから、私は、割と心がはずんでいた。
だけど、何日か経った時、塾の前で充君が女の子と話をしていた。私の姿が見えると、その子は慌てたように私に頭を下げて離れて行った。
「充君 今の子・・って」
「あぁ 藤代千永子さん 知ってるだろー?」
やっぱり、十和姉ちゃんの妹さんだ。少し伸びて、真っ黒でツヤツヤした真直ぐな髪の毛。マスク越しでも、きれいな顔立ちで清楚な感じの女の子になっていた。
「なんでー 名前まで知ってるん?」
「学校行く時、電車で会うやん どっちからともなく話かけるようになってなー 午前中の短期講習に来てるんやってー」
「ふーん そんなんになってたんやー あの子、きれいになったなー 男の子にしたら、気になるもんなー」
私は、面白くなくて、植え込みの葉っぱをいじりながらブツブツ言ってたのだろう。
「紗奈 変に勘ぐるなよー 普通に話してただけやろー そういう言い方 お前 そんなー・・気に喰わない時って、眼むいてるもんなー ちゃんと こっち向けよー」
「なんもー ウチ 普通やでー」
「ウソつけー 真直ぐ 俺のこと見てろよー 勘ぐられるようなことないぞー 信用しろよ 俺の心の中にはサダしか居てへんてー バーカ 講習始まるぞ」
と、充君は私の手を取って教室に引っ張って行ってくれた。うれしい。やっぱり、はっきりと言ってくれた。並んで講習を受けれているんだ。
「なぁ そのミサンガ 汚いなぁー」
「あぁ そー言うな 練習中でもサポーターしてるんやけど、ドロだらけになって、洗うんやけどグシャグシャやー でも、切れんようにしてるでー」
「そうなんや 充君 ごめんなー ウチ アホやから しょうもないこと気にして・・」
「うー なんのことやー 紗奈 ボールのキーホルダー サイフに付けてくれてるやろー ちゃんと握り締めとけよ 俺のタマの代わりやからなー」
「? ? ?・・ 何 ゆうんやー この変態・・ そのつもりやったんかー」
「ふっふっ やっと わかったんかー 鈍感 まぁ ええやんかー じょーだんだよ」
「・・・握りつぶしたるぅー・・や さ し く・・ナ」
私は、講義の間の休憩の時間になると、充君に手を添えていっていた。精一杯に、その時の好きだという気持ちを表現したかったのだ。
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