第三十八話 嫌な奴もいないその三
[8]前話 [2]次話
「水戸藩は勤皇だから」
「それでなのね」
「芹沢さんもかなりの勤皇派だったのよ」
「新選組のトップなのに」
一華は信じられないという顔で述べた。
「そうだったの」
「しかも教養もあって和歌も詠んだそうよ」
「乱暴者のイメージが」
「どんどんなくなってくでしょ」
「何かドラマとかと全然違うわね」
「それで人望もあって」
親分肌の気質故だったと思われる。
「当時の隊士の三分の二位が芹沢さんの方だったらしいわ」
「近藤さんじゃなくて」
「近藤さんには土方さんや沖田さんとか十数人ね」
それだけだったというのだ。
「後で隊の中心になる人達がいたけれど」
「当時は芹沢さんが強かったの」
「圧倒的にね」
「意外ね」
「それで会津藩もね」
新選組を編成しているこの藩もというのだ。
「勤皇派で腕は立つし人望もある人が京都の幕府の警察のトップだとね」
「不都合だったのね」
「何時勤皇派になるかわからないから」
この危険があってというのだ。
「それでね」
「どうにかしたかったの」
「だから暗殺させたらしいのよ」
「近藤さん達に」
「どうやらね」
富美子は真剣な顔で話した。
「どうも」
「そこ全然違うわね」
「というか酒乱の乱暴者で」
留奈も言ってきた。
「どうしようもないってイメージは」
「実際の芹沢さんとはよ」
「違ったのね」
「そうみたいよ」
「そうだったのね」
「それで永倉さんもね」
永倉新八、新選組の中でも有名な彼もというのだ。
「死んだ時天下の損失って言ったそうよ」
「へえ、近藤さんに近い人なのに」
「永倉さんもね」
「それは凄いわね」
「永倉さん最初は近藤さん達が暗殺したって知らなくて」
それでというのだ。
「そう言ったらしいわ」
「ううん、じゃあ実際の芹沢さんは」
「結構魅力的だったみたいね」
「そうみたいね」
留奈もそれはと応えた。
「どうやら」
「というか新選組はヤクザ映画か」
こう言ったのは越智だった。
「殺し殺され裏切り裏切られでな」
「ああ、暗殺とか多いよな」
成海はまさにと応えた。
「芹沢さんもで」
「伊東甲子太郎さんもな」
「そうだよな」
「それを見るとな」
どうにもというのだ。
「新選組はな」
「ヤクザ映画みたいか」
「そう思う」
越智としてはだ。
「どうもな」
「敵に対してもだしな」
「討ち入りだのが多いな」
「夜にいきなりな」
「池田屋の時といい」
「新選組は武士というよりな」
むしろというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ