敢闘編
第五十四話 帝国領侵攻
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ます。そしてそれと並行し帝国の自壊を誘う。皆さんはその魁となるのです」
教化か…まあ思想教育に近いんだよな。同盟市民が当たり前、と思っている事は、帝国人、特に平民層にとっては当たり前じゃない。神聖不可侵の銀河帝国皇帝の前では、基本的人権すら霞んでしまう。それをいきなり同盟式で明日からこうですよ、と言ってもすぐにそうなる訳じゃない、長い時間が必要だろう。となるとそこの防衛基盤は堅固にしなくてはならないし、占領が一時的ではないという覚悟を示す必要がある。その為の八個艦隊という戦力なのだ。イゼルローンの様な軍事拠点を作るという選択肢もあるけど、それだって一朝一夕にはいかない…。
「そういう事か。それなら最初からそう言えばいいじゃないか。魁か…古風だが大いに結構」
ロボス親父の顔がどす黒い赤から上気してほんのり紅潮した赤に変わっている…面白いな。俺の説明した事は本当ならギャバン准将の後にシトレ親父本人が言おうとしていた筈だ。いい指揮官はいいアジテーターでなくてはならない。面白がっていたから、というのもあるだろうが、それを俺に言わせたのは心理的圧迫を考慮したからだろう。命令者然としたシトレ親父より、下位の俺が言った方が、現場の声を反映している様に見えるからだ。狸親父め…。
同日18:00
イゼルローン要塞、士官クラブ「シーホース」
オットー・バルクマン
「マイクにも見せてやりたかったぜ。演説するヤマトの顔を」
「酷かったか?」
「そりゃもう」
「見たかったなあ。ヤマトが参謀面してる所、まだ見た事ないからなあ」
「うちのビュコック提督は褒めてたけどな。中々立派になったって」
「そうか…。副官任務、どうだ?」
「だいぶ慣れたよ」
「その…パオラと別れた後、どうだ?」
「どうもこうもないよ。まあぼちぼちさ」
マイクと会うのは二年ぶりくらいか?見違えたな…。ついさっきも何人かがマイクに声をかけて行った、多分ローゼンリッターの面子だろう。
「今さらだけどさ、何で別れたんだ?…言いたくなければ言わなくていい」
「…まあ、距離かな。それと俺がまだ子供だった、ってのもある。そんな事よりお前はどうなんだ?薔薇の騎士は色々大変だろ?」
「まあね…でも今回はヤマトに救われたよ。一番槍を貰えたからな」
「そうだな、あいつそういう所気が利くよな」
「ああ…前の連隊長が逆亡命して、正直皆腐ってたからな。作戦に参加するって聞いて救われたよ。しかも先鋒だし…っと。噂をすれば、だ。よお、ヤマト!」
後ろを振り返るとクマの濃いげっそりとしたヤマトが立っていた。
「おう…二人とも元気そうで何よりだ」
「やつれてんなあ」
「寝てない自慢が出来るぞ」
ヤマトの挨拶もそこそこに、不遜を絵に描いたような中佐が現れた。
「お元気
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