第七十一話 詰所の中その三十八
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「いいわね」
「意識して努力してですね」
「切っていってね」
「そうしていきますね」
「ええ。それじゃあこれからね」
私は前を見ました、もう階段を降り終えて一階に戻っています。
「別館に行くけれど」
「そうですね」
「ええ、いいわね」
新一君にあらためて言いました。
「これから道路渡るから」
「そこは注意してですね」
「行きましょう」
「わかりました、しかしお家みたいですね詰所は」
「事実私だって今はお家ははここよ」
まさにこの詰所です。
「だからね」
「それで、ですね」
「もうそうした場所ということで」
そう考えてです。
「考えておいてね」
「アパートみたいなものですね」
「というか寮かしら」
私の感覚ではです。
「詰所はね」
「寮ですか」
「東寮から移った感じね」
「そうですか」
「だってご飯出るしひのきしんもあるしで」
こうしたことがあってです。
「それでね」
「寮ですか」
「私としてはね」
「そうですか、僕も時々泊めてもらってますけれど」
「寮じゃないの?」
「旅館ですかね」
新一君にしてはでした。
「そうした感じですね」
「旅館ね」
「僕としては」
「色々しても?」
「全部セルフサービスの」
「人それぞれね」
物事に対する捉え方、それは詰所でもです。私は心から思いました。
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