第五百十一話 グロンギとの死闘その四
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「やってやるぞ」
「いや、姫様お仕置きの時もです」
隣で彼女を補佐している幻鬼が言ってきた。
「容赦しませんが」
「私はどんなに怒っても拳一発だぞ」
「その一撃がです」
拳のそれがというのだ。
「とんでもなくです」
「強いのか」
「この前間違って私が姫様のブラを取った時なぞ」
「あの時は不運だったな」
共に戦う鉄鬼が言ってきた。
「お主はこけただけだがな」
「その先に姫様がおられてな」
そうしてというのだ。
「こけた時に手がだ」
「姫様のブラにかかってな」
「取ってしまったが」
「思いきり殴られたな」
「そして派手に吹き飛ばされた」
「あれには俺も驚いた」
「容赦のない一撃だった」
こう言うのだった。
「顎が粉々になった」
「おいらあの時死んだと思ったよ」
キングはナイフを縦横に放ちつつ幻鬼に話した。
「物凄い勢いで吹き飛んだからね」
「何百メートルも飛びましたからね」
シグレも言ってきた。
「僕もこれは青年さんかスマートレディさんのお仕事かと思いました」
「かく言う私もだ、だからだ」
幻鬼は仲間達に応えて話した。
「姫様は普段からだ」
「容赦しないですね」
「今だけではない」
「と、当然だ」
鬼姫は戦いつつ顔を真っ赤にして応えた。
「お陰で胸が丸見えになったのだからな」
「それはまことに申し訳ないですが」
「それを一撃で済ませたのだ」
だからだというのだ。
「まだだ」
「ましですか」
「そう思え」
「というか切られてもおかしくなかったですよ」
サポートして戦っている迷宮蟻Aが言ってきた。
「それなら」
「そうなのか」
「はい、そんなことしたら」
それこそというのだ。
「もうどうなるか」
「私なら生かしてはおけないところだ」
上からバルクホルンが言ってきた、下のグロンギ達に銃撃を仕掛けてそのうえで倒していっている。そうしながらの言葉だ。
「よく鬼姫は一撃で済ませた」
「バ、バルクホルンさんもですか」
「そうだ」
本気の言葉だった。
「貴殿でもな」
「そうしたものですか」
「だからだ」
鉄鬼も言うことだった。
「一撃で済んでな」
「よかったとか」
「思った方がいい」
「そうなのか」
「俺もその現場を見たがな」
「私は派手に飛んだな」
「死んだかと思った」
本気でというのだ。
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