暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第128話:2人のパフォーマー
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
? それなら、これから奏ちゃんを迎えに行っちゃおうかな〜?」
「ハッ! 冗談……」
〈ウォーター、プリーズ。スィー、スィー、スィー、スィー!〉
〈リキッド、プリーズ〉

 颯人は立ち上がりながら姿をウォータースタイルに変化させると、リキッドの魔法を使用し体を液状化させてソラに突撃した。不定形な姿となって迫る颯人をソラが剣で切り裂くが、液状化した颯人の体には何のダメージも入らない。

「くっ!?」

 堪らず超高速でその場を離れ、距離を取って体勢を立て直したのち再び攻撃に移行するソラだが体を自在に液状化させられる颯人には全くと言って良いほど意味を成さなかった。例え速く動けても、攻撃できない・攻撃が通用しなければ意味は無い。

「今度はこっちの番だ!」

 斬撃に加え銃撃までをも駆使して、颯人はソラを追い詰めていく。しかし相手は敵組織の幹部、この程度で倒れてくれるほど甘い存在ではない。

 一瞬の隙をつきソラが颯人から距離を取る。既にお互い魔法の効果時間が切れている為、これで状況は仕切り直しとなった。

「やれやれ、流石だね。あのウィズから手解きを受けてるだけの事はあるって感じかな? でも分かるよね? 僕、まだ本気出してないって事」

 それは颯人も薄々感じていた事だ。颯人はまだ、話に聞いていたソラの不可解な動きや攻撃を見ていない。
 つまり今までの戦いは、敢えて本気を出さず颯人の力を見定める為の準備体操の様な物という事になる。

 本番はここから…………

「さぁ、行くよ!」

 ソラが流れるような動きで颯人に接近し剣を振るう。それを颯人は防ぎ、反撃を繰り出そうと身構えた。

 その瞬間遂にソラが本気を出した。

「ハッ!」

 ソラが繰り出した一撃は、颯人の防御に防がれる……と思いきや、何とソラの一撃は颯人の防御の目前を素通りした。そして返す刃で放たれた一撃は、防御の為に体勢を固めている颯人の無防備な脇腹を捉えた。

「がっ!? このッ!!」

 一撃入れられはしたが、そんなに大した攻撃ではない。颯人は攻撃を放った直後でまだ体勢を立て直せていないソラにソードモードのウィザーソードガンを振るうが、その一撃も虚空を斬るだけで相手の体を捉える事は出来なかった。

「ッ!?」
「それっ!」
「ぐぅっ?!」

 自身の攻撃や防御は全て空を切り、反対に相手の攻撃は全て直撃してくる。それは以前、洋上の戦いで透がソラを相手にした時の光景の焼き増しのようであった。

 一方的な攻撃を許し、見る見るうちにボロボロになっていくウィザードに変身した颯人。自慢の宝石のように輝く鎧や仮面が傷付いていくのを、対するソラは楽しそうに見ていた。

「アハハハハッ! さぁ、そろそろトドメ!!」

 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ