私だけ?
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に飛び込んでしまう。
「うわっ!」
「がああああッ!」
「うう……っ!」
今度こそ完全に破壊されていく、友奈の満開による巨腕。
その破片が飛び散る中、可奈美と響も、それぞれ祭祀礼装と絶唱による強化形態の姿が解かれ、写シとガングニールの通常形態に戻っていた。
「くっ……そんな……!」
祭祀礼装のデメリット、急激な疲労が体を襲う。
膝を折り、どんどん溢れていく液体の中動けなくなる可奈美。だがそれでも、液体の向こうの仲間たちへ声をかける。
「友奈ちゃん、響ちゃん! 大丈夫?」
「うん……まだ、大丈夫だよ!」
「へいきへっちゃら……ッ!」
だが、その言葉とは裏腹に、三人は動けないでいた。
「これはやばいぜ……!」
龍騎はそう言って、腰のカードデッキからカードを引き抜く。
自らの力の根源である龍のカード。それを、左腕のドラグバイザーに装填した。
『アドベント』
ドラグバイザーの黄色の目の部分が発光し、その機能を発動。
イリスが見滝原中央駅に入って来る際に開けた穴から、赤い龍、ドラグレッダーがその姿を現わす。
ドラグレッダーは咆哮を上げながら、イリスへ火炎弾を放つ。数回の炎を浴びてイリスが怯んだ隙に、ドラグレッダーは契約主である龍騎、およびその近くにいる可奈美たちへ咆哮を上げた。
その熱気は、イリスが放った黄色の液体を蒸発させていく。
「よし……っ!? あれは……!」
再び戦おうとする龍騎。だがその時、彼の目はイリスとは別の個所を見つめていた。
「真司さん? どうしたの?」
「悪いみんな! ここを任せていいか?」
「え!? このタイミングで!?」
龍騎の発言に可奈美は目を点にする。
だが、そうしている間にも、龍騎は数回にわたってジャンプ。フロアの手すりを足場に、より高層階へ上昇していく。
いったいなぜ、という疑問を持った可奈美たち三人。だが、その中で特に視力に優れた可奈美は、龍騎の行動の原因を視認した。
「あの子は……!?」
最上階から、手すりからこちらを見下ろす人影が見えた。薄紫の髪をした、眼鏡の少女。可奈美が見知らぬ少女を追って、龍騎は燃え続ける駅ビルの中に消えていった。
「可奈美ちゃん、どうしたの? 真司さんはどうして?」
かけよる友奈。彼女もまた可奈美と同じく、龍騎が昇って行った方向を見上げている。
可奈美は右腕を抑えながら答えた。
「何か、女の子がいた……多分、真司さんはその子を助けに行ったんだと思うけど」
「女の子って……もしかして、アカネちゃん!?」
「また私が知らない情報だけど……眼鏡の女の子で合ってる?」
「うん! その子が、トレギアのマスターだよ!」
トレギア
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