第六百七十二話 朝はそうなったその九
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「しかし黒であるな」
「そこに士官だと金色が入りますね」
「それでも基本は黒であるな」
「そうですね、連合軍は」
「あれはネービーブルーがじゃ」
この色がというのだ。
「なったものじゃ」
「ネービーブルーも暗いですからね」
「青の中でな」
「かなり暗くて」
「黒に近いな」
「そうですね」
「だからじゃ」
そうした色だったからだというのだ。
「その色がな」
「もっと暗くなってですね」
「黒になってな」
そうしてというのだ。
「今に至るのじゃ」
「連合軍の軍服は海軍からのものですが」
「その世界の海軍の軍服がな」
「黒になったので」
「連合軍の軍服もじゃ」
それもというのだ。
「そうなっておるのじゃ」
「そういうことですね」
「まあ夏は白であるがな」
「それも海軍からですね」
「白いと光を跳ね返してな」
日光、夏の激しい日差しをだ。
「その分暑くないからのう」
「だから夏は白ですね」
「そうなっておる」
「そうですね」
「だが夏以外はな」
「黒ですね」
「だから黒い軍服といえば」
博士はバターをたっぷりと塗ったトーストを牛乳と一緒に食べてそれから野上君に対して考える顔で話した。
「わしとしてはじゃ」
「ナチスの親衛隊でなくですね」
「連合軍だとな」
「思われているんですね」
「数も多いしのう」
「そりゃ連合ですから」
野上君は当然という顔で答えた。
「やっぱりです」
「多いな」
「はい、中央政府軍で百三十億ですからね」
「非常に多いな」
「だから多いと言われると」
「当然であるな」
「はい」
まさにというのだ。
「そのことは」
「そうであるな」
「はい、しかし黒と言えば」
「わしは連合軍じゃ、そして親衛隊もな」
この組織の軍隊もというのだ。
「酷いものであった」
「虐殺とかですね」
「蛮行の限りを尽くしておってな」
「恰好いい軍隊でなかったですね」
「うむ」
そうだったというのだ。
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