第二百六十二話 神託の時その十三
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「国の政策や運営は孔明さん達が考えてね」
「動かしていたな」
「それで書類が上がってきて」
「皇帝として判子押してたな」
「これだけで違うのよ」
判子即ち印を押すだけでというのだ。
「何と言っても決定者は皇帝で」
「皇帝が裁決しないとな」
「本当に何も決まらないでね」
「動かないからな」
「それをするだけで」
印を押すだけでというのだ。
「国は動くから」
「劉禅はちゃんとそれをしていたからな」
「暗愚と言われていたとしても」
史実ではその評判は悪い。
「けれど孔明さんを全面的に信頼して」
「任せてな」
「それで自分はね」
「印押してたな」
「それでね」
「国は動いていたよな」
「暗君と言われるけれど」
三国志演義では特にだ。
「これはっていう家臣に任せて信頼してね」
「自分は印押してたんだな」
「もうそれだけで違うでしょ」
「全くな」
久志もそれはと答えた。
「というか有能でなくてもな」
「まだいいわね」
「少なくとも万暦帝よりはな」
「遥かにいいわね」
「すぐ後の晋の皇帝達よりもな」
まだというのだ。
「ましだな」
「遥かにね」
「あそこの皇帝とか王もな」
「権力争いばかりしてね」
「しかも軍率いて殺し合ってな」
それで民に災厄までもたらしている、八王の乱が起こり晋は建国の後の土台固めの時をそれで荒廃させたのだ。
「それで権力の座に就くと」
「そうよ、遊び惚けてね」
「仕事しなかったな」
「まともな人も用いないでね」
「劉禅の方が遥かにましだな」
久志はここまで聞いて言った。
「それこそ」
「そうでしょ」
「ああ、劉禅は見られるさ」
「印押してるだけでもね」
「それで政は動くからな」
「だから私達もよ」
「どんな時も印は押さないとな」
そして政治の決裁をすべきだというのだ。
「本当にな」
「そうよ、じゃあね」
「毎日な」
「やっていきましょう」
こう話してだった。
久志は仲間達と共に書類の決裁をしていった、そうして条約と会談締結を進める中でも国を動かしていったのだった。
第二百六十二話 完
2022・6・15
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