第三十七話 夏の食べものその八
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「メジャー時代の顔と阪神時代の顔だが」
「人種違わない?」
富美子はその二つの画像を見て真顔で言った。
「これって」
「そう思うな」
「ええ、別に順守がどうとかじゃなくて」
「顔が違い過ぎてな」
「別人過ぎて」
それでというのだ。
「もうね」
「人種が違う位変わってるな」
「メジャーにいた時と阪神に来た頃と」
「だからな」
そこまで顔が違うからだというのだ。
「俺はな」
「阪神に来たグリーンウエルは違う人じゃないかって」
「そうも思うんだよ」
こう富美子に話した。
「まさかと思ってもな」
「これは当然ね」
「人間ってここまで顔変わるか」
人種が違うのかとさえだ。
「黒人が悪い白人が悪いじゃなくてな」
「顔立ちが違い過ぎて」
「ああ、人種に関係なく活躍してくれたらな」
それならというのだ。
「いいしな」
「それでもね」
「顔が違い過ぎるとな」
「そう思うわよね」
「そこまで別人じゃないかってね」
「グリーンウェルは私も知ってるわ」
理虹も実に忌々し気に言ってきた。
「伝説だからね」
「阪神ファンで知らない人いないわよね」
「若くてもね」
それでもというのだ。
「あんまりにも有名だから」
「国際詐欺だってね」
「あそこまでいくとね」
それこそというのだ。
「そう言われても仕方ないでしょ」
「本当に何だったのよ」
「そう言いたくなるわね」
「昔の阪神ってバッターの助っ人酷かったけれど」
暗黒時代はというのだ、助っ人が振るわずそれが為に弱体打線が改善されず勝敗に直結してきたのだ。
「その中でも特にでしょ」
「殆ど来なかったからね」
「一番酷いわ」
「伝説になる位にね」
「ええ、あれはないわ」
「ゴールデンウィークじゃなくてグリーンウェルとか」
古田も言ってきた。
「そんな風?」
「それね?」
理虹は古田のその言葉に頷いた。
「まさに」
「同じGWだからね」
「その時にやっと来てすぐに帰ったから」
「そのままだね」
「文句なくて」
「僕達が生まれる前のことなのに」
伊東も眉を顰めさせて話した。
「知ってるってのも凄いよ」
「普通ないよな、いや」
古田はここで気付いた顔になって伊東に話した。
「阪神の場合はな」
「ああ、あるね」
伊東も言われて頷いた。
「バースさんにしてもね」
「掛布さん岡田さんだってそうだろ」
「あと江夏さん村山さんも」
「知ってるし」
自分達が生まれる前でもというのだ。
「仏の悟郎さんとか」
「藤井さんだね」
阪神のファーストであり兎角その人柄が有名である。
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