敢闘編
第五十三話 謀多ければ…
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ンの戦いから今回の戦力規模で待ち受けた筈。陥とされるとは思っていなかったに違いない」
「そう、思われます。我々が伝えたにも関わらずあの戦力規模ですから。ですがイゼルローン要塞は同盟の手に落ちてしまった」
「うむ。そして我々からの同盟の増援の情報…パニックになるだろうな。当初は箝口令が敷かれるだろうだが、それでもいずれ帝国中に伝わる。要塞奪還の為の軍編成に早くて二ヶ月、オーディンからイゼルローンまで約四十日の行程…三か月から四ヶ月は同盟軍の優勢が確保されるという訳だな。そして既に同盟軍はイゼルローン回廊に軍を終結している…君が帝国政府の要人ならどうするかな?何なら軍高官や貴族という立場でもいい」
「…事実を公表し、政府と軍の綱紀粛正を図ります」
「政府要人としての立場だな、それは」
「はい」
「その結果何が起こると思うかね?」
こういう問答はとても刺激的で心地よい…帝国本土からの訓令を受けたレムシャイド伯は保身の為に焦っているのだろうが、疑心を解く材料はある、何しろ知らなかったのだからな…問題はそれで済むかどうかだが、しばらくは帝国に力添えせねばならんな…。
考えているなボルテック、先を考えているのだろうが、今は先は見えなくてよいのだ。
「まさか…共和主義者による内乱でしょうか」
「内乱の首謀者が平民とは限るまい、まあ今はレムシャイド伯の矛先を躱すのが先決だ。資料の準備は出来ているのだろうな」
「はい、整っております」
11月28日17:00
イゼルローン要塞管制宙域、自由惑星同盟軍、総旗艦ヘクトル、第二作戦会議室
ヤマト・ウィンチェスター
会食の用意があるとかで、シトレ親父達将官とヒルデスハイムはそのまま作戦会議室、俺達と向こうの随行者は第二作戦会議室で当番兵による給仕を受けている。将官は将官同士、佐官は佐官同士、という訳だ。お互い武器は携帯していないから安全といえば安全だが、俺なら敵艦の中でメシ食う気にはとてもなれん。料理は一応帝国風という事だけど大丈夫か?ヒルデスハイムは堂々と同盟のワインを楽しめると嬉しそうだったな…常識人っぽいのも意外だった。しかし帝国軍も呑気なもんだ、貴族の艦隊を援軍に寄越して勝てると思ったんだろうか?駐留艦隊に比べて艦隊運動自体は中々だったけど、それもラインハルトやシューマッハがいたからだろう。だけど、帝国はそんなに切羽詰まっているのか?リヒテンラーデやカストロプが戦費をケチっているんだろうか…いや、あり得ない話じゃない。貴族は税金納めてないからな…帝国騎士や下級貴族もそうなんだろうか?
ヤンさんが肘でつついてきた。
「あの少佐の艦を拿捕したのかい?やるじゃないか」
俺はその時の経緯を説明した。
「なるほどなあ。しかしその時は彼は中尉だったのだろう?」
「彼は皇帝の寵
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