第124話『引き継ぎ』
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は不可能。晴登の奇襲から挟み撃ちまで含めて、伸太郎の思惑だったのだろう。頭の回る相手はこれだから嫌だ。ただ、
「遅い!」
「あれ……?」
挟み撃ちが成功するよりも先に、緋翼が晴登を弾き返し、ジャンプして避ける方が早かった。寸前で攻撃をかわされ、当てが外れた伸太郎が素っ頓狂な声を上げる。
「「うわぁ!?」」
人とはいえ、走れば急には止まれない。伸太郎はそのまま晴登の元まで突進して、ついに爆発が巻き起こってしまう。
「今のは危なかった……。あんたの足が遅くて助かったわ」
2人から離れた場所に着地し、息を整える緋翼。結果的に失敗したものの、作戦は非常に良かったと思う。失敗の原因が情けない理由だが。
「ごほ、ごほ。まだまだこれからだよ、暁君……暁君?」
爆発による砂煙を振り払い、晴登は咳き込みながら伸太郎に声をかける。だが、その声に応える者はいない。なぜなら、伸太郎は爆発に巻き込まれてダウンしているからだ。
「そんな……!」
「結局自爆してるじゃないの。まぁ三浦に当たらないようにしたってことかしらね」
「くっ……」
伸太郎が倒れている所の地面が抉れていることから、彼は咄嗟に手のひらを下に向けて爆発させたのだろう。本来であれば自爆する技ではないだろうが、彼は晴登よりも自分が犠牲になることを選んだ。その決断を無駄にはできない。
「"鎌鼬"!」
「"紅蓮斬"!」
晴登はすぐさま攻撃に移る。手刀を振るって風の刃を射出した。一方、緋翼も刀を振るって焔の斬撃を飛ばす。そして風と焔は交錯し、火柱となって燃え盛った。
だが攻撃はそこで終わらない。その火柱が消えるや否や、晴登は緋翼に向かって飛び出した。
「"噴射"!」
足の先から猛烈な風を噴き出すことで、まさに弾丸のような速度で接近する。この勢いで拳を振るえばノックアウトも容易だろう。
「"不知火返し"!」
だがさすがは緋翼。持ち前の反射神経でカウンターを合わせに来た。この技は相手の速さが速いほど威力が上がるというものなので、今の晴登が当たればこれもまたノックアウト必至である。
「ほっ!」
「なっ……!?」
しかし残念ながら、その行動は"晴読"でカンニング済みである。カウンターで刀を横に振ってくるタイミングですかさずジャンプした。
「"天翔波"!」
「ぐっ!」
刀を振り切った姿勢の緋翼に真上からの一撃。当然防御はできずに、彼女は風で地面に押し付けられる。
「まだっ……!」
「"鎌鼬"!」
緋翼がすぐに起き上がろうとしたので、晴登は素早く着地し
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