第124話『引き継ぎ』
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そう言い放って、終夜はニカッと笑った。
*
場所をいつもの中庭に移し、終夜と緋翼、それ以外の魔術部メンバーが向かい合うように対峙する。
「ルールは俺たち2人とお前ら、どっちかが先に全滅するまでの勝負だ。正直今のお前ら相手にこのルールはキツいが、まぁ先輩らしいとこ見せてやらねぇとな。なぁ辻」
「えぇそうね。後輩にナメられたくないし」
終夜は拳に黒雷を纏わせ、緋翼は焔の刀を構えている。既に臨戦態勢だ。
一方こちらは、いつもの1年生メンツに加えて、晴登にとっては見慣れない武器を持った2年生たちが味方である。
「それじゃあまずは挨拶だ! 当たってくれるなよ! "冥雷砲"!」
開幕。審判役が誰もいないので、終夜が戦闘の火蓋を切る一撃を放とうとする。しかし、
「"目眩し"!」
「うお、しまった!」
終夜の攻撃よりも早く、伸太郎の妨害が先に繰り出される。指鉄砲を構えて照準を合わせていた終夜はそれをまともに喰らってしまい、目を眩まされてしまった。
「あんたバカね! 来るって読めてたでしょ!」
「うるさい! 忘れてたんだよ!」
伸太郎と言えば開幕目眩し。よく見ていた戦い方だったが、久々になると忘れてしまうのは詮無いこと。一方、緋翼は刀を使って防いでおり、警戒心の高さが窺える。
「そりゃ!」
「そこ!」
「ふっ!」
「辻、頼む!」
「あーもう世話が焼けるわね!」
そうして無防備となってしまった終夜に対して、結月、南雲、西片が遠距離攻撃を試みる。
目が見えなければ、それらの攻撃を正確に防ぐことは不可能。よって終夜は緋翼に防御を頼んだ。
「"居合い・焔の太刀"!」
焔を纏った刀を振り払い、全ての攻撃を撃ち落とした緋翼。だが攻撃はそれだけに留まらない。
「黒木! 突っ込んでくるよ!」
「まだ見えねぇんだけど……しゃあねぇ、これしかねぇか! 辻、離れろ!」
「わかったわ!」
遠距離攻撃の後は、槍を持った北上と刀を持った東が突撃してくる。2人を相手どって緋翼が捌けるかは怪しいところ。
だから終夜はある作戦を取ることにした。緋翼に声をかけ、彼女を自分から引き離す。
「マズい! ストップ!」
「"大放電"!」
「「うぎゃあ!?」」
嫌な予感がした伸太郎が急いで制止をかけるも間に合わず。突撃していた2人は終夜の放電にあえなくダウンしてしまった。
「あっ! 北上先輩と東先輩が!」
「いきなり2人やられたか! 相手にすると厄介だな、あの放電」
「これじゃ近づけな──」
バリバリと黒雷を撒き散らされ、近づこ
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