1章「新しい旅先」
2話「次の旅路へ」
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もしかして・・・チケット落とした?!」
「ピィ・・・カー!!!」
サトシは、慌てて周りを探した。だが、チケットは見当たらなかった。
「くそ、どこだ。どこに落とした」
改札口から離れたサトシとピカチュウは、床や壁の端を見回りながら、先程歩いてきた道や階段、駅弁売り場まで探して行った。念のため、店員に落とし物を聞いたが無いと答えられ、そのまま駅の中で歩いた場所を順番に回っていき探した。
ただ時間だけが過ぎて行った。余裕を持って10分以上前に、改札に行ったのに、その余裕は、一刻一刻と減っていく。
「やっぱ、さっきの改札口かな」
サトシはそういうと改札口に戻った。だが、やはりチケットは見当たらなかった。
「くそ、あと2分も切ってしまった」
「ピカピ」
「勿体ないけど。買い直して、次のリニアに乗るしかないか」
「チュー」
「ごめんな、ピカチュウ。俺のミスで」
「チューチュー」
ピカチュウは、サトシに首を振るが結局見つからなかった事にサトシ同様に残念な顔をする。そして、二人は諦めて券売機まで戻り買い直そうとした時だ。
「君」
突然、後ろの方から誰かに呼び止められた。サトシは、振り返り今の声の主を探した。すると、一人の男の人が立っていた。
「こっち、こっち」
男は、サトシに手招きしながら話かけた。サトシは状況がよく分からなかったが、言われるがまま男に近づいて行く。
近づいて顔をよく見ると青年だった。見た目は、好青年というような良い人に見え、年は少し大人のような雰囲気はあるが、サトシとそう余り変わらないよう若さだった。
男は、近づいたサトシに右手を差し出す。
「これ、君のチケットだろ」
「え?」
サトシは、男の右手へ視線を移すと、そこにはチケットが掴まれていた。
「もしかして、俺のチケット?」
「あぁ」
「けど、どうして?」
「さっき弁当売り場のレジ前で拾ってね。君、さっき会計する時に落としただろ」
そう言われて、サトシは先程のレジの時に、財布を取り出す際のことを思い出す。
「チケットの発車時間を見て、一応ホームで待って探したけど、見当たらなかったからさ。最悪駅員に渡しても良かったんだけど、そしたら誰のチケットなのか確認したりする手続きで時間取られるだろうから。ここで待っていたんだよ。ほら」
サトシは、彼の手に持っていたチケットを受け取る。
「あ、ありがとうございます」
「ピカピカチュウ」
「どう致しまして」
そして、サトシのピカチュウは、改札口を渡り、無事リニアに乗車出来た。
先程の男も、同じく改札口を通り入っていった。
それからコガネシティ行きのリニアは、予定時刻通り出発した。
座席についたサトシとピカチュウは、窓から景色を眺めて旅の気分を味わっていた。出発してから20分が過ぎた頃には、二
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