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<ポケットモンスター トライアル・パレード>
1章「新しい旅先」
2話「次の旅路へ」
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ピカチュウによってダメージを受けていたリングマが再び立ち上がり、戦闘態勢を取った。
「まだ、やる気か。仕方ない、ラグラージ・・・トドメにまとめて、れいとうビームだ」
「ラージ」
ラグラージは口を大きく開いた。口の前に青白い光が現れ、徐々にそれは大きくなる。(れいとうビーム)の光が貯まると攻撃をする。
「待ってくれ!」
攻撃寸前で、サトシがピカチュウを抱えたまま、ラグラージの前に駆け寄ってきた。
「待て!ラグラージ」
咄嗟に、ヒョウリはラグラージに攻撃中止を命令する。
「なんだ?!どうしたサトシ?」
いきなりのことに、声を上げるヒョウリ。それに対して、サトシは答える。
「あのリングマたちを攻撃するのは、待ってくれ。俺に、・・・任せてくれないか。頼む」
「・・・何をする気だ?」
「あいつらと話す」
「・・・あいつらは、野生の中では人を襲う傾向があるポケモンだぞ。それに、さっきの地元民が言ってただろ。開発工事、人間のせいで、縄張りを失ったと。いわば、俺たちは復讐の対象なんだぞ」
「だからだよ!だから、こんなやり方じゃあ。やっぱり駄目だと思ったんだ。これじゃあ、結局」
サトシは、訴えた言葉を聞いたヒョウリは、一言で突き返した。
「綺麗事だ」
「!」
「事情は、分かってる。俺たち人間の都合で、野生のポケモンたちに迷惑をかけて、この様な事態になったこともだ。だが、それで俺たちが襲われても抵抗、反撃しないのとは訳が違う」
「それは、分かってる。ただ」
「サトシ。お前は、俺たちの後ろにいるトレーナーでもない民間人がいるのを、分かって言ってるのか?」
「あっ」
「俺達が駄目だったら、次はあっちに向かうんだぞ。今、あっちに護衛としてついてるトレーナー達とポケモン。パッと見て、正直、宛にはならない。群れ全員で襲われたら全員負けるだろう」
「ッ」
「そして、お前のピカチュウだ。これ以上、ダメージを受けると取り返しがつかないぞ」
「・・・」
ヒョウリの正論に、サトシは黙った。今、抱えているピカチュウが、ダメージを受けて、危険なこと、ヒョウリが言っている内容も、サトシは、分かっている。自分の我儘で、自分が正しいと思ったことをやろうとする事で、他の人や、ピカチュウにも迷惑がかかることも。サトシは、悩んだ。一番大事な事が何なのかを。
「ピ、カピ」
「!。・・・ピカチュウ」
「ピカ、ピカピ、ピカピカ、チュウ」
「・・・あぁ」
サトシに、ピカチュウは話かける。ポケモンであるピカチュウの言葉は、普通なら人間には理解出来ない。だが、その声と仕草、そして目と目で通して、長い付き合いのあるサトシには、ピカチュウの気持ちが伝わった。そんな二人が、やり取りをしているのを見たヒョウリは、サトシに告げた。
「一度だけだ」
「!」
「もし、上手
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