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水の国の王は転生者
第八十一話 初等教育開始
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、それはさて置き、今じゃ貴族よりも成金連中が酷いけどね」

「そうなの?」

「そうよ、シエスタも気をつけなさいよ。うかうかしてると身請けさせられちゃうわよ」

「そ、そんな事ないでしょ。今の国王様はそんな事許さないと思うわ」

 二人はぺちゃくちゃ喋りながら女子寮の受付へ足を進めた。

 ……

 受付で部屋の鍵を受け取った二人は、掃除の行き届いた廊下を通って自分達が寝泊りする部屋の前にたどり着いた。

「ここが私達の部屋ね」

「でも、同じ部屋で助かったわ」

「そうね」

 鍵を差し込みドアを開けると、一メイルほどの窓が真正面にあり、左右に二段ベッドと小さなタンスが二つの簡素な内装だった。

「見て、ベッドの上に服が置いてあるわ」

 二段ベッドの上下の段には、初等学校で使う制服が置かれていた。

 マダム・ド・ブラン製の制服だったが、字が読めない二人はそれぞれの制服を手に取った。

「可愛い!」

「早速、来て見ましょう」

 二人はわくわくさせて制服に袖を通した。
 制服は冬服と夏服の二着があり、デザインは冬服が黒いセーラー服で、夏服が白と黒のポピュラーなセーラー服だった。

「この白いの、前に店に来た水兵が着てたわ」

「でも可愛いわね」

 シエスタは冬服をジェシカは夏服をそれぞれ着て、見せ合いっこをしていた。

 バレリーナの様にクルリと回ると、ひらひらと短めのスカートが舞い上がり、二人のドロワーズを晒す。

「これで毎日過ごさなきゃならないのかしら?」

「ベッドの上に貴族様が履きそうな下着があるけど……」

「私達が履いていいのかしら?」

「二人分置いてあるんだから履いて良いんでしょ。よっと……!」

 ジェシカはドロワーズを脱ぎだした。

「看板娘が聞いて呆れるわ」

 シエスタは呆れながらも自分のドロワーズに手をかけた。






                      ☆        ☆        ☆




 エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールは、今年で21歳になった。
 かつて家出をして、王太子時代のマクシミリアンの新世界へ探索に同行し、それなりの名声を得た。

 新世界でのちょっとした冒険はエレオノールを人間的に成長させ、癇癪をある程度コントロール出来るようになった。

 ……だがしかし、彼女は未だ独身だった。

「大丈夫よエレオノール。まだ21じゃないの、チャンスなんていくらでのあるわ」

 初等学校の教員用の寮の自室にて、エレオノールは鏡に映った自分の目を見ながらつぶやいた。

 名門、ラ・ヴァリエール公爵家の
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