第八十一話 初等教育開始
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、大浴場を諦めた。
そんなシエスタにジェシカが、助け舟を出した。
「安い大衆浴場なら今度連れてって上げるわよ」
「本当?」
「なんなら今行こうよ」
「良いわね行きましょうよ」
「言っとくけどジュリアン。大衆浴場は男女に分かれてるから一緒に入れないわよ」
「そ、そんなんじゃないって!」
三人が行った大衆浴場は、それなりに綺麗でシエスタ達は旅の垢を落とす事ができた。
こうして、入寮前の最後の夜は更けていった。
☆ ☆ ☆
次の日、三人は新宮殿の敷地内に建てられた寄宿舎に入寮する事になった。
新築の寄宿舎は男性寮と女性寮とで分かれていて、ジュリアンはシエスタとジェシカと別れて男性寮へと入っていこうとしていた。
「それじゃ姉さん達も、お元気で」
「別にコンジョー(今生)の別れじゃあるまいし」
「あはが、またね。姉さん、ジェシカ!」
ジュリアンは手を振って二人に別れをつげた。
「私達も行こっか」
「そうね」
二人は新築特有の良い匂いのする領内へ入っていった。
その途中、食堂と思しき大きなホールに着いた。
「食堂は、男子寮と女子寮の中間にあるのね」
食堂の壁には『時間厳守!』と書かれた張り紙がしてあったが、二人とも文字が読めなかった。
「なんて書いてあるのかしら?」
「う〜ん。わかんない」
シエスタとジェシカが張り紙を見てウンウン唸っていると、一人の女性がやって来て二人に声を掛けた。
「貴女たち何をしているのかしら?」
「あ、すみません、これなんて読むんですか?」
「ああこれ、『時間厳守』よ。定められた時間を過ぎると食事が出来なくなるの」
「寝坊したらご飯が食べられなくなるのって、私んちじゃ普通だよね」
「あの、ありがとうございました。私この学校に入学する事になったシエスタです。この子はジェシカ。よろしければお名前聞かせてくれませんか?」
年齢的にお姉さんを演じなければならないシエスタは自己紹介を始めた。
「エレオノールよ。エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール。初等学校で教師をする事になっています。ひょっとしたら貴女たちを受け持つ事になるかもしれないわね」
エレオノールはそう言うと、何処かへ行ってしまった。
「わわ、貴族様よジェシカ!」
「貴族が平民相手に教師をするなんて、この国も変わったわね。私が子供のころは横暴な奴が多かったのに……」
「今も子供だと思うわよ?」
「……ま
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