第六十九話 恋愛について考えだしてその六
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「希望はあります」
「よく言われますね」
「ギリシア神話で言われていますね」
「パンドラの箱ですね」
「あれは実は最初から災厄はこの世にあったのでしょう」
「そうだったんですか」
「神の時代から」
まだ人間が存在していなかった頃からだというのだ。
「あの神話は神々も妖精も人間的な性格をしているので」
「だからですか」
「災厄は災害もありますが」
それでもというのだ。
「他のものは殆どが人間が生み出すものですから」
「絶望もですか」
「そうです、嫉妬や憤怒といったものも」
そうしたマイナスとされる感情もというのだ。
「人間の様な心があるからです」
「起こるものですか」
「ですから」
「もう神話の頃からですか」
「そうしたものはあり」
「そこに希望が贈られたんですね」
「そうかと。パンドラの箱には災厄は入っておらず」
その実はというのだ。
「最初からです」
「災厄はあったんですね」
「私はそうも思います」
「そこに希望が来たんですね」
「事実あの神話は神々が生まれた時から様々なことがありました」
速水は冷静な顔と目で語った。
「ガイアが生まれた頃から」
「あの神話の大地の女神ですね」
「この世の最初の神ですね」
「あの神様から全てがはじまっていますね」
「あの神話では」
咲は様々な創作から得た知識から答えた、ギリシア神話は創作では非常に多く題材に使われ彼女もよく目にしているのだ。
「そうでしたね」
「そしてガイアが生まれた頃からです」
ギリシア神話ではというのだ。
「何かとありますので」
「人間的だから」
「ですから」
それ故にというのだ。
「災厄もです」
「ありましたか」
「だから子が父の位を奪ったりです」
クロノスが父ウラノスからそうしたことだが後でゼウスも行ったりです。
「不倫や嫉妬等もです」
「あったんですね」
「迫害も」
「もうあの神話はですか」
「最初からそうだったので」
「災厄は最初からあって」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「人の世になっても当然あり」
「それで、ですか」
「神々は人を救う為にです」
「希望を送ってくれたんですか」
「パンドラの箱に入れて」
「実はそうなんですか」
「私はそうも考えます」
咲に考える顔になって話した。
「実は」
「そしてその希望はですか」
「常にありますので」
この世にというのだ。
「人間にも世界にもです」
「絶望することはないですか」
「例えどういった状況でも」
「ヒトラーやスターリンみたいなのがいる場合でも」
「それでもです」
「絶望することはないですか」
「彼等の様な人間が支配すれば確かに恐ろしいことになりますが」
このこと
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