第六十九話 恋愛について考えだしてその三
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「いいことです」
「そのことはですか」
「非常に。ですから」
それでというのだ。
「これからもです」
「恋愛に興味を持って」
「そして素敵な恋愛をされて下さい」
「わかりました」
咲は速水の言葉に頷いて応えた。
「そうします」
「そして失恋しても」
咲自身がそうなってもというのだ。
「引き摺らず忘れることもです」
「大事ですか」
「そうすることも辛いですが」
「やっぱりそうですね」
「先程お話した在原業平や中原中也もです」
その彼等もというのだ。
「引き摺ってです」
「忘れられなかったですか」
「そうでしたから」
だからだというのだ。
「これは中々です」
「難しいことですか」
「非常に」
ただ難しいのではなくというのだ。
「その恋愛にもよりますが」
「やっぱりそうですね」
「本当に性格が変わるまでにです」
そこまでというのだ。
「失恋は辛いものです」
「このお店にもそれで来られるお客さんいますね」
「非常に多いです」
速水はその通りだと答えた。
「恋愛の行く末だけでなく」
「これからどうなるかとか」
「失恋をしてです」
今話している事態になってというのだ。
「これからどうすればいいか」
「そのことをですね」
「聞きに来られる方もです」
そうした客もというのだ。
「多いです」
「やっぱりそうですか」
「自指針でどうすればいいかわからず」
それでというのだ。
「途方に暮れてです」
「来られるんですね」
「文字通り目が真っ暗になって」
「真っ暗になりますか」
「なります」
まさにという返事だった。
「人間生きているとです」
「目の前が真っ暗になりますか」
「絶望のあまり」
まさにそのせいでというのだ。
「そうなります」
「そんなこともあるんですね」
「そうです、そして絶望はです」
「失恋でもですか」
「なりまして」
それでというのだ。
「そうなった人達がです」
「お店に来られて」
「そうして私はです」
「そうしたお客さんをですね」
「出来る限りです」
「救われる様にされていますね」
「全力で以て」
速水のというのだ。
「そうする様にしています」
「そうなんですね」
「占いの力で」
まさにそれによってというのだ。
「そうしていっています」
「占いは失恋も癒すんですね」
「失恋をして」
そしてというのだ。
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