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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十二話 疑惑と憔悴
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伝う義務がある筈だ…。


 …うん、これでいい。
やっぱ総旗艦だよな、ちゃんと赤絨毯とか積んでる。接舷ハッチ前の通路、作戦会議室に向かう通路…と。ああ、会議室の中もだ。会議室のドア前はどうするか…やっぱ完全武装の装甲儀仗兵だよな。うん、絵面がいいね!中にも二人立たせて…応接セットは長官公室から運ばせて…もてなすお茶はの支度ヤンさんにやって貰って、ウェイター、いやウェイトレスの方が場が和むだろう、シモン大尉に任せよう。多分随員も居るよな…面倒だ、一緒に入って貰おう……よし、これでいい、っと。
「お前さん、意外と気を回すんだな。赤絨毯は解るが、皆に礼服を着ろとはね」
「相手は降伏した訳ではないですからね。ですが向こう側から会見を望んだとなれば、一応此方の立場も理解してくれている、という事ですから」
「立場?」
「我々は叛乱軍ですよ」
「…ああ、そうだったな。我々は叛乱をしているんだったな、そういえば」
「はい。それにこれからはこういった事が増えるでしょうから、最初が肝心です」
「なるほどね…おいヤン、頷いてばかりいないでお前さんも少しは見習え」
「見習えと言われましても…ウィンチェスター、これからは、という事はやはり帝国本土に攻め込むという方針は変わらないのかい?長官代理が作戦を認めているのだから、私ごときが口を挟むのはアレなんだが…」
「…多少苦しくても小官は攻めた方がいいと思っています。優勢、劣勢どちらに転んでも攻める側にたった方が選択肢は増えますからね。それに…」
「それに…何だい?」
「いえ…あ、帝国軍の司令官がまもなく到着ですよ。この話はまた後にしましょう」


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