敢闘編
第五十二話 疑惑と憔悴
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大変だろうがよろしく頼む。急がずともよい、休養と再編成を並行して進めたまえ」
”はっ”
宇宙暦792年11月28日12:00
イゼルローン回廊、アルテナ星系、イゼルローン要塞管制宙域、自由惑星同盟軍、
総旗艦ヘクトル、宇宙艦隊司令部、ヤマト・ウィンチェスター
眼前のイゼルローン要塞からは、要塞駐留艦隊に移送中の連絡艇の列が連なっている。
要塞に駐留する人員だけでも二百万人はいた筈だ。俺達が宇宙港を破壊してしまった為に、移送作業は遅延を極めていた。そのせいでギャバン准将やキャゼルヌさんは大わらわだ。作戦の為とはいえ誤算だった…。後続の八個艦隊は大規模な補給部隊を随伴しているからこの件で困る事は無いものの、問題はイゼルローン攻略組だ。要塞機能を回復後、現地で補修、補給、休養を済ませる事になっているから、要塞宇宙港が使えないのは痛い。原作やアニメで見る限り、三万隻くらいの収容能力はある筈だった。現金なものだ、お陰で宇宙艦隊司令部を遠回しに非難する声が多い。だけどね、負けていたらそんな事言ってる暇はないんだぞ…ん?総参謀長が手招きしている。
「何かありましたか?」
「帝国の艦隊司令官が会見を求めているんだ。まあ今後の事だと思うが…貴官にやって貰いたい、と長官代理は仰っておられる」
「小官がですか?」
「無論、長官代理や私も同席するが、直接のやり取りは君に行って貰いたいとの事だ。君は以前にも、EFSFで似た様な経験があった筈だから適任だ、と長官代理が仰っていたよ」
「はあ」
「気が進まないかね?」
「いえ、やります。その帝国軍の艦隊司令官は何という方でしょう?」
「えーと…ああ、ヒルデスハイム伯爵中将という帝国軍人だ。伯爵中将となっているから、貴族のようだな」
「ヒルデスハイム伯爵中将…会見予定時刻は何時でしょうか」
「一五〇〇時に接舷、一五三〇時に開始だ」
「場所は」
「作戦会議室だ。広いから、相手との距離もとれるしな」
「了解いたしました…あのう、会場のセッティングは小官が行ってもよろしいですか」
「構わんよ。では頼む」
ヒルデスハイム伯爵中将?あのヒルデスハイム伯か?
もしそうなら、帝国軍も大変だな。この時期ってそんなに人材不足だったのか??…リップシュタット戦役の時の間抜けなイメージしかない…まああれはどちらかというとシュターデンのせいなんだが…。それはともかく、相手は大貴族だ、敗者として扱ったら、冷静に話せる物も話せなくなってしまうだろう。それに相手は大貴族だ、丁重に扱わないと額に角を立てて狡猾な共和主義者め、とか言われそうだ。
…キャゼルヌさんとヤンさんにも手伝って貰おう。うん、そうだよ、俺を使おうなんて言いだしっぺはシトレ親父なんだから、副官の二人には手
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