西ゼムリア通商会議〜ユーシスの覚悟と決意〜
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〜エルベ離宮・紋章の間〜
「ええ……ッ!?」
「その話は本当なのですか?」
「はい。シルヴァン陛下、戦争勃発前と比べて領土割譲が緩和されている理由はやはりミルディーヌ君達ヴァイスラント新生軍やアルフィン達のこの戦争での貴国への貢献、そしてリィン君の活躍が関係しているのでしょうか?」
アリシア女王の質問で驚愕の事実を知ったルーシー秘書官は驚き、アルバート大公はオリヴァルト皇子に確認し、アルバート大公の確認に頷いたオリヴァルト皇子は真剣な表情でシルヴァン皇帝に訊ねた。
「簡潔に言えばそうなるな。我が国は”実力主義”。メンフィルに対して”実力”を示し、信頼を勝ち取る事ができれば我らメンフィルはその功績に対して出自関係なく、正当に評価し、相応の礼をする。ヴァイスラントもそうだがアルフィン卿達もそれぞれ理由は違えど、我らメンフィルの戦友として戦争初期から今までも祖国の兵達を自らの手で葬り続け、祖国の領土が占領されることに手を貸したのだから、そんな彼らの努力を無下にする事はできないとメンフィルは判断した為、領土割譲も戦争勃発前より大幅に緩和した。」
「領土割譲に関してクロスベル帝国との話し合いによって、我が国が併合する事になる元エレボニアの領土はレグラム、バリアハート、ケルディックを除いたクロイツェン州全土と”ザクセン鉄鉱山”の鉱業権の内35%、そしてアルバレア公爵家の全財産の80%になっております。」
「当然先程シルヴァン皇帝が口にしなかったこの書面に書かれている残りの領土の併合とザクセン鉄鉱山残りの鉱業権はクロスベルが得る事になっている。クロスベルが戦争勃発前より領土割譲を緩和した理由はメンフィルと同じというのもあるが、何よりもクロスベルがまだ”自治州”だった頃より、長年問題になっていた”クロスベル問題”を少しでも緩和する為にも”不戦条約”を提唱したリベールに対する配慮でもある。先日の”大戦”の件があるとはいえ、リベールにとってエレボニアは”友好国”でもあるのだから、エレボニア自身の因果応報とはいえ”友好国”の領土が他国の領土として併合されることによる国力の低下を可能な限り抑えたいと思っているだろうからな。」
「ちなみに領土割譲の件でメンフィル帝国が併合する領土はクロイツェン州ほぼ全土に対して、クロスベル帝国が併合する領土はノルティア州の一部とラマール州の一部の2州とクロスベル帝国が併合する領土が多いように思われるかもしれませんが、領土の規模という点ではメンフィル帝国の方が上回っておりますので、その代わりにクロスベルはザクセン鉄鉱山の鉱業権をメンフィル帝国より多めに頂いた形になっておりますわ。」
「……………………」
「(なるほど……リベール(私達)の意見があった際の対策として、”予め
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