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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
西ゼムリア通商会議〜ユーシスの覚悟と決意〜
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んだ。

「フッ、我が国が決めた賠償内容とはいえ、”莫大な賠償金の支払い義務”を逆手に取って祖国を護る”盾”にした公女の強かさや愛国心は呆れを通り越してもはや”感心”の領域だな。」

「ふふっ、そんな公女殿が後に我が国の領土として併合されたクロイツェン州の統括領主となるシュバルツァー家にとって強力な味方になると考えれば、我が国にとっても心強い話ではありませんか。」

シルヴァン皇帝とセシリアはそれぞれ静かな笑みを浮かべて呟いた。



「……ッ!失礼を承知で申し上げますが、ミルディーヌ公女殿下はアルノール皇家やエレボニアという国の”威信”よりも”エレボニアという国の存続”が重要だと考えられているのですか!?」

ミルディーヌ公女の考えを知ったルーシー秘書官は唇を噛み締めてミルディーヌ公女を睨んで問いかけた。

「”アルノール皇家やエレボニアという国の威信”ですか………皇太子殿下達”アルノール皇家”の方々に対して不敬を承知でセイランド秘書官殿に問わせて頂きますが、戦後のエレボニアにアルノール皇家もそうですが国としての”威信”が一欠片でも残っていると本気で考えられているのですか?――――――皇帝陛下が心より信頼を寄せたオズボーン宰相が原因で勃発した内戦、アルスター襲撃、第四機甲師団によるクロイツェン州全土の焦土作戦、そして今回の戦争での敗戦で失った国民達の信頼もそうですが、他国の我が国に対する信頼が。そして”如何なる事よりも、国の存続を最優先”とする私の考えは”間違った考え”なのでしょうか?」

「フフ、それに秘書官殿のその問いかけだと、”国の存続よりも皇家や国の威信の方が大事”のように聞こえますわよ?」

「ッ!!」

「ハハ……耳が痛いね……」

「………シルヴァン陛下。第二条の領土割譲の件で気になっている部分があるのですが……何故、メンフィル帝国はバリアハート、ケルディックの領主をユーシスさんに指定している事もそうですが、ユーシスさんに皇家・政府の要請に対する限定的な拒否権を与えるようにされているのでしょうか?」

困った表情を浮かべた後静かな表情で問いかけたミルディーヌ公女と微笑みながら問いかけたルイーネの問いかけに反論できないルーシー秘書官は辛そうな表情で唇を噛み締め、オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、複雑そうな表情で黙り込んでいたセドリックは気を取り直してシルヴァン皇帝に問いかけた。



「理由は二つある。一つは国境に関する防衛上の問題だ。」

「こちらが考えていた当初の領土併合にはバリアハート、ケルディックも含まれていました。ですが、バリアハートとケルディックも併合してしまえば、エレボニアの領土であるトリスタ、レグラムと隣接する事でエレボニアとの間にできる国境が二ヵ所も増えてしまう
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