西ゼムリア通商会議〜ユーシスの覚悟と決意〜
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俺の側妃として嫁ぎ、キュア嬢は将来クロスベル側のカイエン公爵家の当主として就任して俺達クロスベル皇家に仕える――――――つまり、二人とも現クロスベル皇家に対して”臣従”する事を誓ったのだから、クロスベル市民達も納得し、受け入れている。」
「”臣従”とは言葉通り、主君に対して臣下として従う事――――――つまりは自身の立場は”下”である事を認める事。エレボニアの貴族――――――それも皇家に次ぐ権力者である”四大名門”直系の血縁者である姉妹の身分で人を差別する事を嫌う性格や正しい意味での”貴族の義務”を常に心がけている事もそうですが、”自ら現クロスベル皇家よりも下の立場”である事を認めているのですから、そんな彼女達に対して幾ら”クロスベル問題”によってエレボニアを憎むようになった被害者達であろうとも、溜飲が下がりますわ。」
「つまりは四大名門の一角――――――”エレボニアでは絶大な権力を持つ貴族が自ら自分達の立場は現クロスベル皇家より下である事を認めた事”で、”クロスベル問題”の件でエレボニアを恨んでいるクロスベルの民達の溜飲も下がり、ユーディット公女殿下達の事を受け入れたという訳ですか……」
「……………………」
セドリックの質問にヴァイスは答え、ヴァイスの説明を捕捉したルイーネの説明を聞いたアルバート大公は疲れた表情で呟き、クローディア王太女は複雑そうな表情で黙り込んでいた。
〜待機室・特務支援課側〜
「エレボニア・カルバードに対する”クロスベルの怨讐”か………エリィ、ヴァイスハイト陛下の先程の主張、実際の所はどうなんだ?」
「そうね………残念だけど、陛下の仰る通り幾ら今回の戦争で”クロスベル問題”の件での両国に対する今までのクロスベルの恨みが晴れたとはいえ、エレボニアとの関係の良好化の為にエレボニアの領土併合を緩和してしまえば、その件によって現クロスベル政府・皇家にクロスベル市民が不満や反感を抱く事は否定できないし、人によってはクロスベルはエレボニアに対して弱腰の政治を行っているとみられる事も十分に考えられるわ……それらを考えると陛下達の判断は”今のクロスベルにとっては最も適切な判断”だと思うわ。」
「そうか……」
会議の様子を見守っていたロイドは複雑そうな表情でエリィに訊ね、訊ねられたエリィは複雑そうな表情でヴァイスの話に同意しながら説明をし、エリィの説明を聞いたロイドは疲れた表情で溜息を吐いた。
「”クロスベルの怨讐”の件もそうですが、今回の戦争でエレボニア人はメンフィルもそうですが、クロスベルも恨む事になるでしょうから、戦後のクロスベルとエレボニアの関係はかつてのカルバードとエレボニアみたいな険悪な関係になるんでしょうか……」
「いや……戦争で勝利している事に加えてエ
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