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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
西ゼムリア通商会議〜ユーシスの覚悟と決意〜
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ロスベルもシルヴァン陛下が今仰った理由と同じなのでしょうか?」

レーグニッツ知事の疑問に答えたシルヴァン皇帝は目を細めてアルバート大公とルーシー秘書官を睨みながらレミフェリア公国に対する皮肉も含めた問いかけをし、シルヴァン皇帝の問いかけに反論できないルーシー秘書官は辛そうな表情で唇を噛み締め、アルバート大公は複雑そうな表情で答えを濁し、その様子を見守っていたクローディア王太女は複雑そうな表情で黙り込み、重々しい様子を纏って黙り込んでいたアリシア女王はヴァイス達に問いかけた。

「クロスベルの場合はシルヴァン皇帝が今言った理由に加えて独立前のクロスベルに対して行った長年のエレボニアの所業が関係している事もある。」

「”独立前のクロスベルに対して行った長年のエレボニアの所業”というと……やはり、”クロスベル問題”の件でしょうか?」

アリシア女王の問いかけに答えたヴァイスの話を聞いてすぐにある事を察したクローディア王太女は悲しそうな表情で訊ねた。



「ああ。独立前のクロスベルは”不戦条約”の締結によって沈静化したとはいえ、それまでに起こったエレボニア・カルバードの領土争いによって巻き込まれ、犠牲になったクロスベル市民達の無念は両国の圧力によって『不自然な事故』として片づけられる事で晴らされなかった。クロスベル帝国建国後メンフィルと共に両国に侵攻・武力行使した事でカルバードは滅亡、エレボニアは衰退した事によって彼らの無念はある程度晴れただろうが、だからと言って自治州発足時から両国の圧力によって苦渋を舐めさせられ続けた事によるクロスベル市民の両国に対する怨讐が完全に消えた訳ではない。――――――そんな状況で、”憎きエレボニアとの戦争に勝利して今までの恨みを晴らしたにも関わらず、クロスベルの利益を捨ててまでエレボニアとの関係の良好化を重要視するような見方によってはエレボニアに対して弱腰な政治”を行えば、クロスベル市民が現クロスベル政府・皇家に不満や反感を抱き、それらがクロスベル帝国を乱す原因に発展する可能性がある事は火を見るよりも明らかだ。」

「そ、それは………」

「むう………」

「……………………」

真剣な表情を浮かべて堂々と答えたヴァイスの話に反論できないルーシー秘書官は辛そうな表情で答えを濁し、アルバート大公は複雑そうな表情で唸り声を上げ、アリシア女王は重々しい様子を纏って黙り込んでいた。

「あの……ヴァイスハイト陛下は前カイエン公のご息女――――――ユーディット公女をご自身の側妃の一人として迎えられ、更にユーディット公女の妹であるキュア公女が将来のクロスベル側のカイエン公爵家の当主に就任する事を保証されていますが、それらの件は問題にはならなかったのでしょうか?」

「勿論だ。そもそもユーディは
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