暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
西ゼムリア通商会議〜ユーシスの覚悟と決意〜
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アルバート大公の話を聞いたシルヴァン皇帝とヴァイスはそれぞれ冷たい答えを口にし、二人の冷たい答えを聞いた唇を噛み締めたルーシー秘書官は気を取り直して二人に指摘した。



「フッ、どうやらレミフェリアは大きな勘違いをしているようだな。」

「え………」

「それはどういう事でしょうか?」

嘲笑したシルヴァン皇帝の指摘にルーシー秘書官が呆けている中アルバート大公は真剣な表情で訊ねた。

「レミフェリアは戦後の三帝国間の関係を良好化する為にも更なる緩和をすべきという意見を口にしたが………――――――そもそもその前提が間違っている。”メンフィルは自らエレボニアとの関係を良好化する意志はないのだからな。”―――まあ、リィンと婚約を結んだミルディーヌ公女を統括領主としているラマール東部に関しては”例外”だが。」

「同じくクロスベルもユーディット・キュア姉妹の従妹でもあるミルディーヌ公女を統括領主としているラマール東部を除いて”領土併合を更に緩和してまで、エレボニアとの関係を良好化する事は考えていないな。”」

「な……」

「……………………」

「フフ、私に対する気遣いをして頂いた両陛下達の寛大なお心遣いには心から感謝しておりますわ。」

「両帝国自らが我が国との友好関係を結ぶ意志がないのは、やはり今回の戦争の件でしょうか?」

シルヴァン皇帝とヴァイスの答えを聞いたアルバート大公は絶句し、セドリックが辛そうな表情で黙り込んでいる中、ミルディーヌ公女は静かな笑みを浮かべて答え、レーグニッツ知事が辛そうな表情で訊ねた。



「その理由もあるが、今回の戦争によってメンフィル・クロスベルは”勝者”、エレボニアは”敗者”という”立ち位置”に別れた。”敗者”であるエレボニアが原因で始まった戦争に勝利した事で得た”利益”を”勝者”である我らが”敗者”であるエレボニアとの今後の関係の良好化の為に捨てる等、戦争の”元凶”にして”敗者”であるエレボニアに対して下手(したて)に出過ぎているとメンフィルとクロスベル、それぞれの国民達が不満や反感を抱くことで、それがそれぞれの政府や皇家に対する不満や反感へと発展するからだ。――――――まさかとは思うが、”ゼムリア大陸全土の平和の為”という理由で自国の国民達が政府や皇家に対して不満や反感を抱かれる事で”自国の平和が乱されるリスク”を負ってまで、エレボニアとの関係の良好化を優先すべきという”本末転倒”になるふざけた意見を口にするつもりではないだろうな?ましてやリベールと違い、一兵の血も流していない上物資一つすらも連合に支援しなかった”傍観者”も同然の”中立国”であるレミフェリアが。」

「……ッ!」

「それは……………」

「…………………」

「……………ク
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