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レーヴァティン
第二百六十二話 神託の時その五

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「ヒトラーはカエサル以上だろ」
「カエサルは女好きだったな」
 ヒトラーと逆にというのだ。
「そうだったな」
「禿の女ったらしだったな」
「そう言われる位にな」
「そのカエサルよりもな」
「ヒトラーはもてたな」
「そうだったけれどな」
 久志は英雄に話した。
「そうした話がな」
「ないな」
「それでスターリンはあってもな」
「女と遊ぶ時にか」
「そうした顔になるかっていうとな」
 それはというのだ。
「どうもな」
「想像出来ないか」
「ああ」 
 これがというのだ。
「俺はな、そしてお前もな」
「顔が変わらないからか」
「口調もな、それでもだな」
「好きでだ」
「毎日二人も三人もか」
「何度相手もしてもな」
 それぞれの女達をというのだ。
「平気だ」
「だったら相手の人は相当凄くないとな」
「一人なら無理か」
「そうだろうな、そうした相手がいるといいな」
「俺もそう思う」
「良縁がある様にな」
「礼を言う」
 その言葉にというのだ。
「有り難い」
「別にいいさ、じゃあここで一旦な」
「汗をかいたしな」
「出るか」
「そして水風呂に入るか」
「ここの水風呂は冷たいからな」 
 久志は笑って話した。
「だからな」
「よく冷えるか」
「一瞬でな」
 それでというのだ。
「くるぜ」
「それだけ冷えるか」
「元々この宮殿の水は冷たくてな」
「泉がか」
「ヴェネツィアの中でも特にな」
「それでか」
「この風呂場の水風呂のはさらに冷たくしているからな」
 だからだというのだ。
「もうな」
「相当な冷たさか」
「ああ」
 そうだというのだ。
「だからな」
「入るとか」
「一気に冷えるぜ」
「かかり水をしてもか」
 サウナに入ってその後水風呂に入る際の当然のエチケットである、汗はそれで流し落としてそうして入らないと不衛生だからだ。
「それでもか」
「ああ、かなりな」
「冷えるか」
「だからな」
 それでというのだ。
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