暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第128話:子の目に映る父の姿
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うな」
「ちょっ!? そういう言い方は無いでしょう!!」

 セレナにまで感心されてちょっと得意げになっていたマリアだが、続くガルドの言葉は見過ごせなかったのか顔を赤くして抗議する。そのやり取りに一頻り笑ったガルドは、気付けば肩の力が抜けていた。

「ハハッ、いやすまない。少し気になる事があってな」
「全く、もう。それで? 気になる事って?」

 改めてマリアに問われて、ガルドは真面目な表情になって先程まで考えていた事を口にした。

「なぁ、マリア……あのガリィって奴が倒される直前に言ってた言葉、覚えてるか?」
「ガリィの言葉? えっと…………」

『一番乗りなんだからぁぁぁぁぁっ!!』

「確か……一番乗り?」
「そう、一番乗りだ。……どういう意味だと思う?」
「どういう、って……」
「そのままの意味? 一番最初に倒されたって言う?」

 マリアと共に話を聞いていたセレナが思ったままの事を口にする。そう、状況などを考えれば、オートスコアラーの中で真っ先に倒されたのはガリィという事になる。だからその答えに間違いはないだろう。

 しかしガルドは、ガリィがその言葉をまるで勝ち誇る様に言っていたのがどうにも気になって仕方なかった。

「どうも気になるんだ。そもそも連中は、装者は積極的に倒そうとしなかったりとおかしな動きが多い」
「何が言いたいの?」
「何処から何処までが連中の計画の内なのかが分からないって言いたいんだ。もしかすると、オートスコアラーが倒される事も計画の内だったりするんじゃないかって――――」
「きゃぁぁっ!?」

 その時突如、セレナが悲鳴を上げ皿を落として割ってしまった。突然の悲鳴と、皿の割れた音にガルドとマリアの視線がセレナに集中する。

「セレナ!?」
「どうした!?」
「ね、鼠!?」
「鼠?」

 セレナが指さした方を見れば、そこには走り去っていく小さく茶色い鼠の姿があった。一体どこから入り込んだと言うのか。

「おいおい、潜水艦の中で鼠なんて冗談じゃないぞ」
「大方、前の接舷の時に荷物に混じって入り込んだんじゃねえの?」
「あぁ、全く油断も隙も……!?」

 何時の間にか、盆を持ち料理を待つ颯人がそこに居た。本部に待機していた彼も昼食を取りに来たらしい。その隣には奏も居る。

「ま〜た颯人の鼠が逃げ出したんじゃないの?」
「一瞬しか見えなかったけどあれは俺の鼠じゃねえよ。あれ茶色かったから野良の鼠だろ」

 となると、衛生面を考えて駆除はしっかりしておかなければならない。野良の鼠は病気持ちだ。放っておけば本部内が汚染されるという事にもなりかねなかった。

「ま、鼠の駆除は俺らの仕事じゃねえし、おっちゃんにでも報告しときなって。それより飯くれ
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