第二部 1978年
ソ連の長い手
雷鳴止まず その3
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止める。
「何ゆえにですか」
寝台の上で身体を反転させると、上半身を起こす。
「何、ニューヨークの街中で、其処にある国連本部で、少しばかり暴れたくなったのさ」
脇に寄せてあった、薄いアクリル製で黒無地のスウェット上下を着る。
「国連と言う米ソ冷戦の構造物が……、いやソ連や、国際金融資本の世界調略の一機関がこの世にある限り、この世界は俺の遊び場にはならない。
国連は、ソ連が戦後世界を左右する為に国際金融資本家に資金を出させ、共産主義者たちが作り上げた工作機関。
故にロシア国家に何らかの利益を求める国際金融資本家がある限り、国連を通じて有害工作をし続けよう」
タバコとガラス製の灰皿を、ベットの脇にあるテーブルの端まで引き寄せる。
「BETAという宇宙怪獣の発見や発表も、この機関が関与した故に遅れ、混乱した。
だから歴史の中から綺麗さっぱり消したくなったのよ」
困惑する美久を余所に、タバコの箱から、紙巻きたばこを取り出すと、火を点ける。
「でも世界平和は……」
美久の質問を聞きながら、マサキは紫煙を燻らせた。
「外交は所詮国家間の暴力のバランスでしか解決できない。軍事同盟程度で十分であろう」
タバコをフィルターの間際まで吸うと、灰皿に押し付ける。
「まあミンスクハイヴも片付いた事だし、後は帰る準備をするだけさ」
その時、マサキの目が妖しく光る。
「但し約束した通り、俺の意思を尊重する様、武家の奴等に仕向けてからな」
そう告げると、一頻り哄笑した。
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