清隆くんのお宅訪問 伊吹編
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た…」
額に手を当てると朝より熱い気がした。でも、そんな事はどうでもいい。今はこれからどう対応するのがいいか……考えないと…
ガラッ……
伊吹「!」
誰も来ないと踏んだ屋上に誰か入ってきた。
まさかクラスの女子たちがここまで追ってきたとか?
念のため、そいつを確認するため扉に近づいた。入ってきた相手は……今、あたしが最も会いたくない男だった。
なんでよりにもよって今のタイミングで…
伊吹「なんであんたがここに来んのよ……綾小路!」
綾小路「それはこっちのセリフだ。お前こそどうしてここに居るんだ?」
伊吹「……あんたには関係ないでしょ!」
綾小路「それもそうだな。」
伊吹「ちょっと!ここに居座る気?早く出ていきなさいよ!」
綾小路はあたしの言い方に慣れたのか、さほど気にする様子もなく、その場でコーヒーを飲み始めた。
綾小路「いや、何でそうなるんだ……ここはお前だけの場所じゃないだろ?」
伊吹「あんたより先にこの場を離れるのは癪なの。あたしはもう教室に戻るんだから先に出てって言ってんのよ!」
綾小路「それはお前の勝手な言い分だろ?俺は関係ない。勝手に独りで出ていったらどうだ?」
この適当にあしらうような言い方……やっぱ腹立つ!
いつも余裕ぶって澄ました顔で見下してる感じが勘に障る!
あたしはイラつきながら、その場でドカッと座った。綾小路より早く出るのは嫌だった。
綾小路「ふぅ……」
伊吹「……」
あたしは横目で綾小路を視た。今のこいつはあたしに背を向けて呑気に景色を眺めながら、コーヒーを飲んでる。
まるで隙だらけ……こいつって案外抜けてる感じあるわよね。今なら寝首を欠くくらいは出来るんじゃないの?
あたしは以前、こいつに私闘を申し込んで負けた。負けた時の条件としてあたしは試験以外でこいつと私闘を禁じられた。約束を破るつもりは無い。
これはただの確認……あたしは静かに近づき、ノールックで回し蹴りを繰り出した!
綾小路「……いきなり危ないだろ?」
伊吹「ちっ……なんで避けられんのよ!くっ……この!」
綾小路からは死角だった筈なのにこいつは軽々と避けた。
あたしは避けられた事実を受け入れられず、なりふり構わず連続で蹴りを繰り出す。
しかし、蹴りは一向に当たらなかった。
綾小路「……急にどうしたんだ?そんなに俺がこの場を去らなかった事が気に食わないのか?」
伊吹「ふん……話しかけられるくらい余裕ってわけ?そういうところがムカつくのよ!」
綾小路は蹴りを避けるだけであたしの蹴りを受け止めようともしなかった。
何なのよ……
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