236 不眠で突き進む
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言う事ができなかった。
「好きだらけなんだな」
三河口と湘木はそのまま朝食を食べ始めた。
「い、いただきまあす・・・」
かよ子はこの日の朝が来るまで殆ど眠る事ができなかった。
「お、おはよう・・・」
「山田かよ子、あまり眠れていないようだな」
「あ、うん・・・」
かよ子の顔に隈がついていた。石松はそこから見抜いていた。
「やっぱり杖が気になって眠れなかったんじゃないかブー?」
「あ、いや・・・」
かよ子は否定か肯定、どうすればいいのか声が出なかった。
「まあ、まずは飯を食うとよい」
「う、うん・・・」
この日の朝食の献立は玉子焼きに沢庵、御飯に澄まし汁、お浸しに焼魚と和風だった。
「ちぇ、もっと美味しいのが食べたかったなあ」
まる子はメニューの当たりはずれの勘定をしていた。かよ子はそのまる子をよそに黙って食べる。
(兎に角今日中に杖のある所に追いつかないと・・・!!)
かよ子はこの日の自分自身の目標を決めた。
こちら戦争主義の世界の本部。房子はトランシーバーで各々に連絡を取る。
「晴生、公三、利明、あや子、ヴィクトリアの援護しっかりやるのよ」
『こちら和光晴生。了解』
通信を終えると房子はその場にいる山田義昭を見る。
「義昭。工房ならまた造り直せるわよ」
「ああ。だが、あいつらに工房を破壊された事がどうしても悔しい・・・!!」
山田はレバノンにある赤軍の本部に隣接している自身の工房を剣の奪還に訪れた高校生達に破壊されていた。
「そういえば剣を持っていった連中がまたこの世界に飛び込んでるわ。リベンジのチャンスがあるわね。それに今スターリンがそちらに向かっているからそこを狙うといいわ」
「ああ」
山田は復讐に燃える。
(はて、おっちょこちょいの杖の所有者。杖を取り返しに来てもすぐ死ぬ運命よ・・・)
かよ子達は火山の多い山脈を通過していた。気温が高くなり、かよ子達は暑さで来ているコートを脱いだ。寝不足のかよ子もその暑さで眠気が吹き飛んでいた。
「なんか暑いのお〜」
「ああ〜、暑くて何にもする気がないよお〜」
まる子とその祖父は暑さで倒れていた。
「なんとしてもここを抜ければ杖の在処に近づくはずだ」
次郎長も暑さに耐えていた。
「うん・・・」
かよ子は杖を取り返す事に集中しており、暑ささえも忘れていた。その時、下方から炎がかよ子達を襲撃した。ただかよ子の羽根から結界が出現した為、防御できたが。
「ちいっ!」
椎名の玉とブー太郎の水の石で水を出して迎撃する。
「何者だ?!出てこい!」
だが、同時に大波がかよ子達を襲う。これも結界で防御する。
「ええ!?」
「これはオイラ達の能力によるものじゃないブー!」
「俺がやる!」
大
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