236 不眠で突き進む
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
東部の領土を取り返しに動く大阪の大学生、上市と高田はやや西へと進路を変更していた。
「はて」
同行するラクシュミーは考え事をしていた。
「ところで奪われた杖はもう少し西の方にあると言う事か」
「そ、それがどないしたんねん?」
「我々も行くぞ。私はそこに住む女と因縁が深いからな」
「杖・・・」
二人の女子大生は思い出す。杖の所有者の少女と戦った時を。
「うちらも手伝うたるか!」
「せやな」
かよ子の父はこの日も寂しい夕食を過ごしていた。その時、外から誰かが呼んだ。
「おうい、山田さん」
「羽柴さん」
「今日はウチでやりませんか?」
「ああ、いいですね。丁度寂しいところだったんですよ」
かよ子の父は羽柴家に入った。
「それにしても異世界での戦いは何か長引きそうですね」
「はい、特に連絡は来ていないので何とも言えませんが・・・」
かよ子の父は少し曇った顔をしていた。
「何かあったんですか?」
「娘の学校の友達がまた一人いなくなったって連絡が来たんですよ。名前は笹山かず子って言いましてかよ子から聞いた話では行方不明の藤木茂って子から好かれていたとの事です」
「そうですか、もしかしたらその藤木って子を探しに行ったのかもしれませんね」
「ええ、でもどうやって異世界に行ったのか・・・」
二人はその話をしながら酒を飲んだ。
かよ子は皆が寝ている中、眠らずに羽根を進めていた。
「お、かよちゃん、まだ起きてたのかい?」
関根が起きていた。
「う、うん・・・」
「あまり寝ないと動けなくなるよ」
「あ、はい、ごめんなさい。私、またおっちょこちょいしちゃって・・・」
「いや、いや、謝らなくていいよ」
しかし、関根は見抜いていた。
(おっちょこちょいが理由じゃないな。どうしても杖を取り返したくて急いでいるんだ・・・)
かよ子は兎に角寝る事にした。しかし、なかなか眠りにつく事ができなかった。
(早く杖を・・・。そして藤木君を連れ返して、杉山君を元の杉山君に戻すんだ・・・!)
かよ子は早く杖を取り戻して本来の目的に戻りたいと思っていた。
冬田は大野の元へ辿り着いた。
「大野くう〜ん!!」
「冬田!?」
大野は嬉しそうな顔をしていた。
「冬田、お前が来てくれて嬉しいぜ。俺もやっぱりお前が好きだ!」
「え、そおう?あ、ありがとう」
「ああ、俺と一緒に行こうぜ。転校前の最後のデートを楽しみてえ!」
「うん!」
「おい、いつまで寝てんだ!飯だぞ!」
冬田は三河口に起こされた。今までの事は全て夢だったのだ。既に羽根の上には朝食が配膳されていた。
「何が『大野くう〜ん』だ。夢の中まで大野君でいっぱいになりやがって」
「え、あ、う・・・」
冬田は恥ずかしくて何も
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ