第二幕その六
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「今に至るのよ」
「今のボームさんはお爺さんですが」
神宝が言ってきました。
「やっぱり最初は」
「ええ、お爺さんでなかったわ」
ドロシーは新法に答えました。
「私達のことを外の世界に伝えてくれる間にね」
「お歳を召されて」
「お爺さんになったのよ」
「そしてその時の姿でなんだ」
ボームさんがまた言います。
「今はだよ」
「オズの国におられるんですね」
「そうなんだ」
トーストにブルーベリーのジャムをたっぷりと塗りつつ言います。
「僕はね」
「その時のお姿がお好きですか」
「昔はそれ程でなかったけれど」
それでもというのです。
「今はね」
「お好きなんですね」
「そうなんだ」
こうお話するのでした。
「僕はね」
「それでそのお姿ですか」
「若い時よりも」
その時よりもというのです。
「オズの国の歴史編纂のお仕事に相応しいとね」
「思われていて」
「それでなんだ」
「そのお姿ですか」
「オズの国に行く直前のね、ただね」
「ただ?」
「この頃の僕はしょっちゅう身体を壊していたけれど」
そうであったけれどというのです。
「今ではね」
「健康ですね」
「そうだよ」
笑顔でのお言葉でした。
「今はね」
「それはいいことですね」
「とてもね、オズの国では怪我も病気もないね」
「はい」
「そうした国だから」
だからだというのです。
「今はね」
「健康でいられて」
「このことでもね」
「幸せなんですね」
「そうなんだ」
こう言うのでした。
「とてもね」
「ボームさんはお身体のことで困っていたのよ」
オズマが言いました。
「外の世界ではね」
「本当にそうだったよ」
「大変だったわね」
「それがね」
今はというのです。
「オズの国ではよ」
「この通り何の心配もないね」
そうしてというのです。
「健康そのものだよ」
「それは何よりですね」
「健康であるなら」
「もうそれだけで、ですね」
「幸せですね」
「オズの国でも」
「そこで幸せの最初の場所にいてね」
そうしてというのです。
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