暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
刷り込まれた意識
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ーと勝負する必要はなくなった。それを受けたカミューニはなぜか笑みが止まらない。

「満塁でもできるかな?」
「問題ねぇよ。むしろこれは流れが来ていると言っていい」

マウンドに集まった少女たちがそう時間もかからず守備へと散っていく。それを見て二人は敬遠を確信したらしく、視線を交わした後うなずき合っていた。

「予定通りこの回はお前に任せるぞぉ?キャプテン」
「ははっ……頑張ります」

打席に向かうリュシーを見ながらネクストバッターズサークルで素振りをしていた蜂谷へと声をかける。それを受けた彼女はひきつった表情で苦笑いするしかなかった。
















少し遡って……莉愛side

「なんだって?」

ベンチから監督の指示を受けてきた曜子さんがマウンドへ到着するや否や莉子さんが問いかける。あまりにも間髪を置かない彼女の姿勢には全員苦笑いするしかない。

「とりあえず……リュシーは敬遠するって」
「まぁそうなりますよね」

全員納得の表情。満塁になるけど、どの塁でもフォースプレイになるのは大きい。それにここからは打力が一気に落ちる。うまく行けば内野ゴロでダブルプレーでピンチを脱することも考えられる。

「そこからは内野は中間守備、外野は前進で」
「ゲッツー優先ってことですか?」
「そう。ただ2点目はやりたくないから1点取られても三塁にランナーがいたら前進守備に切り替える。ということ」
「「「「「了解!!」」」」」

指示を伝え終えるとそれぞれの守備位置へと戻る。

「瑞姫、ワンバンしても止めるから思いっきり投げていいからね」
「うん。そっちも遠慮なくサイン出してよね」

視線を交わし頷いてからマウンドから離れていく。リュシーさんを歩かせるとなると気落ちするかもと思ってたけどそんな様子はなかった。

「すみません、申告敬遠でお願いします」
「はい、わかりました」

ポジションに戻り球審へ申告敬遠を告げる。それを受け打席に戻ってきたリュシーさんは一塁歩き出す。

(え?笑ってる?)

チャンスの場面で歩かされたはずなのにリュシーさんは笑みを浮かべていた。その理由がわからず困惑する。

(次の蜂谷さんもいいバッターだけどリュシーさんと比べたら格段に落ちる。得点圏打率が高いのは知ってるけど、中間守備ならしっかりした当たりじゃなきゃ抜けない)

前進守備だと中途半端な当たりでもヒットになることがある。しかし中間守備ならそのリスクも少なくなる。仮に外野へ抜けてもこちらは前進守備。二塁ランナーは返さない布陣だ。

(理想はホームゲッツー。でも無理しない。まずは取れるアウトを確実に取る)













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