別世界よりD
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ない誹謗は止めて頂きたい!」
ポピーの言葉に皆が唖然とする中、1人の貴族が声を荒げて反論した。
「はん!根拠がないぃ〜?…根拠なら此処にあるわよ!(バシン!)」
ポピーは自身の隣に置いてあるテーブルから、1冊のファイルを左手に取り、右手で叩きながら言い切った。
「私が何も調べないで居ると思ったワケ?あま〜い!アンタ等の身勝手な行いなど、ちょっと調べれば直ぐ見つかる物なのよ!」
テーブルの上には、他にもファイルが何冊も…
声を荒げた貴族以外も、徐に動揺している。
「このファイルが領民達の手に渡れば、次の日には武器を片手に屋敷へ雪崩れ込んで来るんじゃない?うふふふふ…楽しみだわぁ〜」
ポピーの無邪気な微笑みに、貴族の誰もが恐怖する!
「た、確かに…少しばかり贅沢な暮らしをしてましたが…こ、これからは違いますぞ!我ら貴族は、領民達の為を思い、質素倹約…無駄を省いた暮らしを志すつもりなのです!で、ですから陛下…何卒…此度の増税は…ご再考の程を…何卒!!」
集まった貴族全員が、床に平伏しリュリュに増税中止を懇願する。
「ポピーちゃん…皆さんもこう言ってますし…これから良い子になると言ってますから…増税は止めにしてあげよ…ね?」
可愛い口調で優しくポピーを見つめるリュリュと、厳しい瞳で貴族達を睨み続けるポピー…
そして、暫くの沈黙の末ポピーが発した言葉は…
「はぁ………仕方ないか…陛下がそう言うのなら…今回は見送ります…」
安堵の表情で顔を上げる貴族達…
中には泣きながらリュリュに感謝の言葉を述べる者も…
「良かったですね皆さん。…でも、これからは領民の方達を苦しめてはダメですよ!」
リュリュが悪戯っ子を叱る様な口調で、貴族等にダメ出しをする。
今の貴族等には効果は十分だった。
悪魔の様な宰相から、自分たちを救ってくれた女王陛下に、感謝の心と絶対的な忠誠心が植え付けられる。
全ての謁見も終わり、オジロンがポピーに近付き要求する。
「ポピー…そのファイルを見せてもらえるか?」
「勝手にどうぞ…」
ポピー横のテーブル上のファイルを手に取り、中を確認するオジロン…
「これは酷い…」
「オジロンどの…一体何が書かれているのですか?」
ピピンも近付き、ファイルを見て唸るオジロンに質問する。
「これを見れば分かる…このファイル、何も書かれてはおらん!とんだハッタリだ!」
「何と悪辣な…」
「陛下はご存じだったのですか?」
オジロンが玉座にちょこんと座り、紅茶を啜るリュリュに質問する。
「いいえ、ファイルの事は知りませんでした。でも流石ポピーちゃんですよね…細かい小道具で貴族さん達を苦しめるのですから」
「つまり…増税の事は知っていたと…?」
「………えぇ、まぁ………その事
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