米国編 ウルトラセイバーファイト 後編
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ヨークを守るのですかッ! あなたの涙で、ベムスターを倒せるのですか!? お父様と、あなた自身の理想を実現出来るのですかッ!』
そんなアメリアに、エリーは眉を吊り上げ怒号を飛ばしていた。常に淑やかで滅多に怒らない彼女らしからぬ叫びに、アメリアは思わずハッと顔を上げる。
自分が、愛する父が、今日まで全力を尽くして来たのは何のためだ。こんな無様な醜態を晒すための19年だったとでも言うのか。
そんな自問自答を経て――若き女傑は、失いかけていた誇りを取り戻し、凛々しい笑みを浮かべる。
『……誰に向かって物を言ってるのよ。分かってるわよ、言われなくたって分かってるわよッ! エリー、奴の角に1発ぶちかましてやるわよ! しっかり付いて来なさいッ!』
『……了解ッ!』
そんな彼女の気勢を耳にしたエリーはふっと笑みを溢し、操縦桿を握り直す。
彼女達のBURKセイバーは同時に急上昇すると、そこから豪快に宙返りし始めていた。さらに、その体勢から背面飛行での急降下を仕掛けて行く。
ベムスターの弱点は、吸引アトラクタースパウトによる吸収能力を発揮出来ない、背面にあるのだ。
これまでは破壊光線の弾幕に阻まれ、背後に向かうことすらままならなかったが。ベムスターがアキレスにのみ気を取られている今なら、死角を突くことが出来る。
地球人の兵器など取るに足らないと侮り、隙を見せた今が最初にして最後のチャンスなのだ。人類を無礼た宇宙大怪獣に目に物を見せるべく、2機のBURKセイバーはベムスターの頭部に照準を合わせて行く。
2人の美女はその肉感的な肢体を操縦席に擦り付け、むにゅりと乳房を押し潰し、安産型の桃尻をばるんっと後方に突き出していた。身を乗り出すようなその姿勢は、「絶対に仕留める」という女傑達の固い信念を物語っている。
『はぁあぁあぁあーッ!』
そして、射程圏内に飛び込んだアメリア機とエリー機が、同時に機首部のレーザー銃を撃ち放った瞬間。背後から頭部の角を撃たれ、その発射器官をへし折られてしまったベムスターが、甲高い悲鳴を上げる。
時間にして、僅か数秒。だが、その数秒の隙が、ベムスターにとっての命取りになったのである。アメリア機とエリー機の攻撃に怯んでいた隙に、アキレスは頭部の宇宙ブーメランに両手を掛けていたのだ。
『……ダァァアーッ!』
次の瞬間、念力によって舞い飛ぶアキレスラッガーの刃が、ベムスターの首を刎ね飛ばしてしまう。それが宇宙大怪獣の最期であることは、誰の目にも明らかであった。
一瞬のうちに命を絶たれ、力無くハドソン川に沈み行くベムスター。その骸を一瞥したアキレスは戦いの終焉を確信し、夜空の彼方へと飛び去って行くのだった。
嵐真の献身とエリーの叱咤、そしてア
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