米国編 ウルトラセイバーファイト 後編
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パウト」で、あらゆるエネルギーを吸収する能力がある。
それはまさに、機首部のレーザー銃を主武装とするBURKセイバーにとっては「天敵」とも言える特性であった。
戦闘機隊の総攻撃はまるで通用せず、アメリア機とエリー機を除く全てのBURKセイバーは、ベムスターの角から放射される破壊光線によって敢えなく撃墜されてしまったのである。
それは戦闘機隊がニューヨークに侵入しようとしているベムスターを捕捉してから、僅か数分後のことであった。
『ひ、ひぃいぃいっ! なんで、なんで私達の攻撃が効かないのよぉおおっ! こんな、こんなはずじゃあぁあっ!』
『アメリア隊長、しっかりしてくださいッ! 理想を実現するのでしょう!? 最後まで諦めてはいけませんッ!』
撃墜されて行く仲間達の悲鳴を幾度となく聞かされ、非常な現実に打ちのめされてしまったアメリアは、恥も外聞もなくコクピット内で泣き叫んでいる。それでも破壊光線の連射をかわし続けているところを見るに、パイロットとしての資質は本物なのだろう。
『ふっ、ぐっ、うぅ……! ちくしょう、ちくしょうっ、こ、この私が、こんなぁあぁあ……!』
だが、すでに彼女のプライドは耐え難い恐怖によって、ズタズタに痛め付けられていた。
レーシングバイクのシート状になっている操縦席に肢体を擦り付け、懸命にしがみ付いている彼女は――その下腹部に、女としての尊厳を破壊する湿り気と温もりを残していた。ぷりんっと突き上げられた安産型の桃尻は、その「屈辱」を物語るようにぷるぷると震えている。
(まずい、このままでは……!)
そんな彼女を懸命に励ましているエリーも、コクピット内で焦燥に駆られていた。BURKセイバーの燃料にも限りがある以上、このままでは自分達も時間の問題だからだ。
『ダァァアーッ!』
『……!?』
――その時。遥か遠方から迫り来る真紅の巨人が、ベムスターの顔面に痛烈な飛び蹴りをお見舞いした。
ハドソン川の水面が天を衝くような水飛沫を上げ、宇宙大怪獣の巨躯が豪快に転倒する。日本からはるばる駆け付けて来たウルトラアキレスが、その大河に降り立ったのはそれから間もなくのことであった。
神話の英雄を想起させる名を冠した、新時代のウルトラ戦士。そんな彼の勇姿を目撃したニューヨークの市民達は、避難も忘れて大歓声を上げていた。
闇夜に輝くアキレスの双眸は、実際の姿よりもさらに荘厳な印象を与えている。夜のハドソン側に立つ真紅の巨人は、その煌めく両眼でベムスターを射抜いていた。
『ウルトラ……アキレス!? まさか、ニューヨークにまで来たっていうのっ!?』
その光景を上空から見下ろしていたアメリアも、目の敵にしていたアキレスの登場には思わず
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