1章「新しい旅先」
1話「マサラタウンの少年」
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優しく触られたりと、気持ちよさそうになっていた。
「あ、あれ?」
「びっくりだろ」
意外な顔をするサトシを横からケンジが話しかける。
「ここ最近、子供たちにピカチュウが人気なんだ。そのせいか、ピカチュウに関する本が売れたりして、ピカチュウの扱い方を知っている子供が多いんだよ」
「へぇ〜」
だが、子供たちが自分よりピカチュウに興味しか示さないことに、少しだけ嫉妬したサトシ。
「ちぇ、俺より人気になりやがって」
ピカチュウをちょっと細目で眺めつつ、舌打ちをした。
「さぁ、サトシ。これまでの冒険やポケモンと出会い、バトルについて話してやってくれ」
そうこうしていると、オーキド博士に頼まれていた要件を、早速お願いをされた。
「あ、はい」
「それじゃあ、みんな。これから、サトシの旅の話を聞いてくれ」
それから30分近く、サトシによるこれまでの旅の話が始まった。最初に、ピカチュウとの出会いから初のポケモンゲット、ジム戦、仲間が出来たこと、いろいろな思い出を語っていく。しかし、サトシは、余りたくさんの人前で、このようなプレゼン的なことをしたことが無く、不慣れな説明で、時々言葉が止まったり、噛んだりした。それでも、出来るだけ、子供たちに丁寧に話そうと必死に説明し、最後までやり切った。
「ハァ、ハァ、い、以上です」
「はい、サトシ。説明、ありがとうございました。さぁ〜みんな、彼に拍手しよう」
ケンジは、説明を終えたサトシに拍手をし、子供たちにもお願いをした。それに対して、何人かの子供が軽い拍手をしてくれた。
「ど、どうも」
やり切った顔をしたサトシは、少し疲れたような顔をし、拍手をする子供たちに手を振る。
「じゃあ、質問タイムに入ろうか。みんなは、何か質問はあるかな?」
「・・・」
「・・・」
質疑応答時間に入り、ケンジが子供たちに聞いていく。しかし、子供たちからは何も無かった。
「では、次はマサラタウンで貰えるポケモンを見ていこうか」
ケンジは、それから次から次へと予定を進めていった。一方、サトシは思ったより自分の活躍する場面が余り無いことに、不満にはなっていた。あれから1時間以上が経過した。
「そうだ。ポケモンバトルについてだけど、サトシから何かレクチャーをして貰おうか。彼、ポケモンのジム戦をたくさんしているし、リーグ戦でもいっぱい出ているんだよ」
先程から、不満な顔をしていたサトシに気を利かして、ケンジが話題に出す。
「へぇー」
「お兄ちゃん。凄かったんだ」
「そうさ。えっへん」
子供たちから憧れる眼差しを向けられて、一気に元気を取り戻した。
そのサトシを見て、(現金だな)と思うケンジだった。
子供たちから一人ずつ、質問をされていくサトシは、答えていく。だが、説明が偏りすぎて子供たちの質問と眼差しは徐々に薄
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